広大なハムステッド・ヒースの北側に立つケンウッド・ハウス (写真をクリックすると少し大きい画像がご覧いただけます) |
現在、体調を崩して、年内は自宅療養が決定してしまった夫。お医者さんから、毎日歩くように推奨されているため、私も散歩につきあうようにしています。
今日は、ちょっとがんばって、ハムステッド・ヒースのケンウッド・ハウスまで、足を伸ばしてみました。
ケンウッド・ハウスは、18世紀の貴族の邸宅で、このほど600万ポンドもの費用と1年半の期間を費やした改装工事を終えて、11月末に新装オープンしたばかり。
美術館と呼ぶには、ちょっと地味な存在かもしれませんが、ゲインズバラ、レノルズ、フェルメール、レンブラント、ターナー、ヴァン・ダイクと、すばらしい絵画のコレクションを擁している穴場的な存在で、しかも、イングリッシュ・ヘリテージの管轄でありながら、入場料無料なのです。
資料を見ていると、1925年にケンウッド・ハウスを買い取ったのは、一代目アイヴァ伯爵、エドワード・ギネス……とあります。そうなんです、ギネスといえば、あのギネス。アイヴァ伯はアイルランドのビール会社を営む一族のひとりで、ギネスの社長、会長も務めてた人物です。このアイヴァ伯が持っていたコレクションに、18世紀後半の英国の肖像画や、17世紀のオランダ、フランドルの絵画も数多く含まれていたということのようです。
ライブラリー。ここの天井がまたみごとなのです。 |
アイヴァ伯は、ケンウッド・ハウスを購入したわずか2年後の1927年に亡くなり、本人がここに住むことは叶わないままだったようです。彼自身の遺言により、ケンウッド・ハウスとコレクションのほとんどが国に遺贈されたとのことで、レンブラントの自画像、フェルメールの「ギターを弾く女」や、英国人画家ターナー、レノルズ、ゲインズバラなどの作品は、アイヴァ伯のコレクションからのものだそうです。
ライブラリーをタテのパノラマで撮るとこんな感じです。タテのパノラマって難しい(汗)。 |
アイヴァ伯のコレクションのほかに、サフォーク伯によって収集されたサフォーク・コレクションも、後年になってケンウッド・ハウスに納められ、これによってヴァン・ダイク、ウィリアム・ラーキンの作品もケンウッド・ハウスに加わりました。また、ケンウッド・ハウスのかつての持ち主であるマンズフィールド伯爵家の家具をはじめとするコレクションも、ケンウッド・ハウスに戻ってきて、展示品はますます充実しています。
オランジュリーは、子どもたちのプレイルームの役割。 おもちゃや教材がいろいろある。 |
世界の巨匠たちの絵画に囲まれて過ごす午後のひととき。あまりに贅沢。お天気のよい日に、ヒースのお散歩とセットで訪れられることをおすすめします。
ケンウッド・ハウスの脇にはベンチが並んでいます。 |
Kenwood House
Hampstead Lane, London NW3 7JR
開館時間:10:00〜17:00
0 件のコメント:
コメントを投稿
お気軽にコメントをお残しください。
Please feel free to leave your comment.