11.8.11

暴動のなかで気づいたこと。

月曜日の大暴動後、火曜日の夜には、警官16000人配置の厳戒態勢が敷かれたロンドン。

昼間のリージェント・ストリートは、いつものように観光客で賑わっていましたが、50メートルおきくらいに2人組の警察官が。

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警察のバンが5台も6台も連なって通っていったり。

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この成果か、火曜日の夜のロンドンは月曜日ほどの大暴動はなく、逆にマンチェスターなど、地方への飛び火が目立ちました。

そして昨夜はとうとう、バーミンガムで死者が出てしまった。
突っ込んできた暴徒の車から自分の家や店を守ろうとした若者3人がひき殺されてしまったのです。80人くらいのほかの若者と一緒に、自衛団として町をパトロールしているところだったそうです。

仕事柄、ガイドブックを作ったり、雑誌の英国特集に携わったりして、日本の方にも英国のよいところを見てもらいたくて、たくさんの観光客の方が来てくれるように努力してきたこともあって、悲しくて、悔しくて、この国はどこに行こうとしているのか、とセンチメンタルに涙ぐんだりしてみたのですが、ここではっと気づいたこと。

私はやっぱりこの国を愛しているんだなぁ、と。

今までは、「英国が好き」というよりは、「住みやすい場所ですよ」とか「名所がいっぱいありますよ」とか、そういう表現を使ってきたけれど、自分の生まれ故郷である日本と同じくらい、英国のことが好きなようです、私。

だからこそ、この国が転落していくのは、とてもつらい。そうそう簡単には諦められないです。

この国のために、いまの私にできること。

時間をかけて考えていきたいと思います。前向きに。諦めずに。


9.8.11

ロンドンの暴動

日本でも大きく報道されているようですので、とりあえず「無事です」のご報告を……。

暴動のほうが大きくなって、ことの発端は置いてけぼりという感じなので、簡単に説明します。

8月4日(木)に北ロンドンのトッテナム・エリアで、29歳の黒人男性が警察官に射殺されたのがはじまり。
射殺された男性は、地元ではギャングとして有名な存在だったそうです。この事件に関して、実は詳しい事情がわからないままだったのですが、今日(8月9日)のタイムズ紙によると、「警察は彼のことをマークしていて、逮捕しようとしていた」「彼は銃を所有していた」「警察も事前情報で、彼が銃を所有していることは認識していたため、銃装していた」というのは事実のようです。

このタイムズ紙によると、複数いた警官のひとりが2発発砲、1発目は至近距離からの発砲で、これが致命傷になり、2発目は殺された男性の体を貫通し、別の警官が装備していたラジオコントロールに当たったそうで、実際のところ、殺された男性は発砲せず、警官が発砲した弾が別の警官に当たった、ということだったらしいです。

しかし、こんな詳細については、調査の結果、今日報道されたことで。

この事件の起きた2日後6日(土)になって、トッテナムの警察署に2000人だかの抗議集団が集結。その後、私の目には、そんな抗議とかそんなことはどうでもよい「尻馬乗りの大暴動」と「火事場泥棒」が、トッテナム、そのお隣のエンフィールド、ぱーんと飛び火して南ロンドンのブリクストン、それからもう、どこに飛ぶか分からない状態でランベス、ハックニー、イーリング、ペッカム、クラパム、クロイドン、カムデン、チョークファーム、さらにロンドンから遙か遠く離れたバーミンガム、リバプール、ブリストルと、もうなんでもあり。

彼らはTwitterで連絡を取り合って、「次はあそこだー」という感じで、わーっと集まって、家に火をつけたり、店を襲ってモノを盗み出してすぐに売り払ったり、さらには盗んだモノをTwitterやFBで自慢したり、「抗議の暴動」なんてものではなく、「退屈した若者の集団ゲーム」そのもの。

そのゲームの犠牲になって、家を焼かれてしまった人や巻き込まれてケガをした人などが、気の毒でならないです。

トッテナムに住むお友達に聞いたところによると、ふつうにカラの紙袋をもってお店に略奪に入って、バッグにものを入れ放題入れて、ふつうに歩き去る、という、「タダでお買い物」状態が勃発していたそうで。

なんというか、これをもって物わかりのよい、頭でっかちな大人たちが繰り広げる「社会が悪い」「政府が悪い」っていう議論は、実際のところナンセンスなんじゃないの、と私は思う次第です。

「警察の暴力で事態を押さえつけても、なにも解決しない」などという意見を見ると、自分の家が燃えてても、同じことが言えるのかなって、思ってしまう。住民の立場から言わせてもらうと、警察でも軍でも持てる限りの力をもって、はやく事態を収束してほしいと願うばかりです。

7.8.11

写真を撮るということ。

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日本から戻ってきた翌週、パリからお友達が遊びにきました。

ユーロスターというのはなんて素晴らしいのでしょうか。
彼の住むパリの家から、うちまでドアからドアまでで3時間強です。

美しい写真を撮る人なので、私のお気に入りの場所に案内して、その風景が次々とファインダーに納められていくのを見るのは、なかなか感動的。

毎日見ている私には、気づかない風景がそこにはありました。

いろいろおしゃべりして、散歩して、ちゃんと観光地もまわって、博物館をみて、途中取材につきあっていただいた部分もありましたが、私にとってもちょっと非日常的な楽しい3日間でした。

人と一緒に写真を撮ってまわると、その目線の違いに新たな発見があります。

ということで、すっかり写真を撮りながら歩くことに目覚めてしまった私。

自分の新たなプロジェクトのためにも、たくさんの写真を撮りだめする必要があるので、これからちょっとがんばろうかな、と思っているところです。

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それにしても、このロンドン・オリンピックのマスコットはいかがなものでしょうか…。ユーロスターの発着駅であるセントパンクラスに、オリジナルグッズのお店が入っていました。店頭では、このマスコットが、こんな感じで出迎えてくれます…汗。

6.8.11

どんよりも悪くない。

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ブログの更新をずっと怠っていた間、なにをしていたかというと、実は6月の末には日本に帰ってました。

私が帰国したのは夏至の日で、東京は梅雨明け前にもかかわらず、猛暑に襲われた最初の日でした。

突然暑くなったものだから、実家の母の家は、なんとエアコンが壊れていたことに気づかず。しかも急に暑くなったので、家電のお店にエアコンを買いにいくも、取り付けまで1週間待ち、ということで、猛暑のなかエアコンなしだったのです。

今思うと、軽い熱中症になっていたのだと思うのですが、夜も眠れず、肌は常に熱をもったような状態で、事前に入れておいたお仕事のアポイントメント以外は、なかなか人に積極的に会いに行くこともつらくて、実は今回ほどロンドンに帰ってきてほっとしたことはないです。

戻ってきたら、ロンドンはどよーーーんと曇っていて、うすら寒く、なんてすてきなんだ! と心底思いました。

皆さまもどうぞ熱中症には十分にお気をつけください。

1.8.11

第3回London R@iseカーブーツセール

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お友達と「London R@ise」という名前のグループをつくり、4月から、月末の土曜日に、フリーマーケットに出品しています。

ここで得た収益金は、GlobalGivingというチャリティ団体を通して、日本の地震と津波に打ちのめされた被災地の復興のために仕事をしている各チャリティ団体に配分されます。

前回5月のときには、私は実は日本に帰っていたので、参加できなかったのですが、悪天候にもかかわらず、301.92ポンドになったとのこと。もろもろご尽力くださった皆さま、本当にどうもありがとうございました&お疲れ様でした!

さて。
そして、早くも第3回のセールが先週行われました。今回は、私の義理の妹もバーミンガムから初参加。前日にうちに泊まりに来て、土曜日の朝5時起きで荷物を積み込み、現地入りです。

ところが、現場についてみると、がらーんとしていてだれーもいない。そして、「今回はお休み」なり「移動しました」なり、なにがしかの理由を表す看板やサインなどの目印もなし。ええええっ?

せっかくバーミンガムから来てくれた妹にも申し訳なく、どうしたものか、と思っていたら、たまたま通りかかった別のマーケットトレーダーが車の窓から、「あなたカーブーツセールに出しに来たの?」と聞いてくれて、夏休みの間(8週間)だけ会場を移動して開催している旨、情報をゲット。

とりあえず、新会場を探して、今回は車2台で、車持ち込みの本当の「カーブーツセール」を初体験してきました。

まず、「カーブーツ」とは、車のトランクのこと。イギリスで「トランク」といっても、「象の鼻」かと思われてしまうので要注意。車のトランクは、「Car boots」と呼びます。

カーブーツセールは、家庭の不要品を車につめこみ、後のトランクをあけて、モノを売っていたことから、そう呼ばれるようになったのでしょう。いわゆるフリーマーケットのことですが、日本のフリーマーケットよりも本格的な「不要品」(=しょうもないもの)が多いのは確かです。

いつもは、カーブーツセールとは名ばかりで、私たちは2ポンド出店料金の安い「Walk In」(車を別の場所に停めて、売り物やディスプレー用品などは、えっちらほっちら手で運び入れる)で出店していたので、車を乗り入れるのは初めてだったのです。今回は主催者の方のご好意で、2台乗り入れのところ、1台分の料金にしてもらいました。主催者さん、どうもありがとう!!!

実際のところ、荷物の運び入れをしなくていいのがこんなに楽だったとは!という楽ちんさでした。あぁ、もう「Walk In」には戻れない…。

さて、夏休みということもあってか、客足はいまいちで、いつものような、「おいはぎか!」というような激しいお客が集まってくることもなく、逆に言うと、いつも「香水香水」「ジュエリージュエリー」と騒がれる、「目玉商品」を別にしていたのに、いつものような人気ぶりはなく。

こりゃどうなることか、と思いましたが、お天気がよかったせいもあり、次第に客足が出てきて、また商品を持ってきてくださる方々もいて(写真のガールズは商品を提供してくださったファミリー)、ほのぼのムードで、でもがんばって売りました。

結果は、300.80ポンド。お客さんの絶対数が少なかった割には、まずまずだったのではないでしょうか。

こちらの収益金はすべて、前述のGlobalGivingに寄付します。

今回もご協力いただいた方々、一緒に働いてくださった方々、どうもありがとう!!

また、今月末もがんばりましょう~♪