28.12.09

飛んでいくお札と、1年の反省と来年の抱負

クリスマスで、義妹の家に3泊してきました。いつものように、クリスマスはお料理上手の義妹の作った七面鳥やら、焼き豚やら、根菜類、デザートもろもろを1日中食べ、26日のボクシングデーは、義弟の家で、同じことの繰り返しです(笑)。なんでもクリスマスの日、イギリス人の平均摂取カロリーは、5000キロカロリーにものぼるのだそうで。これから皆さん、デトックスに励むことでしょう。

それにしても、年末というのは、なにかとお金が飛んでいくものですね。私だけじゃなく、クリスマス前はプレゼント合戦があり、クリスマス後はセールがあり、とかくこの季節、財布のヒモがゆるゆるだらーんとなりがちのようです。

不景気不景気っていいますけど、クリスマス前にデパートの電化製品の階に行ったら、WiiとかHDDレコーダーとか、ipodのドック・スピーカーとか、100ポンドは軽く超えるモノを手にした人が、レジの前にずらぁ~っと並んでいます。私も夫へのクリスマスプレゼントを手に並んでいた、そのうちのひとりだったんですケド、みんな、ちゃんとお金を使ってるじゃない、って思ってしまいました。むしろ使い過ぎってくらいです。

私の場合は、弊社(ひとり会社ゆえに、この言葉、妙に照れますが)の場合は、会計年度末が12月末日で、前年度の決算は9月に会計士さんが計算してくれて、税金を納めるのが通常です。去年から配当金をいただけるようになり、今年もこの季節に、去年の決算と今年のその時点での収支をみてもらってから、配当金をいただきました。自分の希望額をもらっても安全かどうか、いちいち会計士さんに相談してからじゃないと怖くて取れないあたりが、情けないですが、今年の売り上げは、去年の150%くらいを達成しているので、本当にありがたい限りでした。

というわけで、今年も10月末に配当金をいただき、私の財布のヒモもいつもよりも相当ゆるんではいたのですが、今年は住まいの向上にもちょっと力を入れてみました。

7年間壊れたたんすを使い続けていたのを捨て、ベッドサイドテーブル代わりに使っていた、大昔のステレオのスピーカーを捨て、まったく使わずいつも空っぽな洗濯物入れを捨て、新たにベッドサイドテーブルをふたつ、たんす、キッチン用のワゴン、「立派な」シュレッダーを購入しました。立派なシュレッダーは、なにが立派かといって、クレジットカードまで刻めることです(笑)。これでもって、ここ10年以上ため込んできた、電話やガスなどの請求書を、過去数年分を残してガンガン切り刻みもう、スッキリです。

新しいものを買う前に、いらないものを捨てる。年をとったせいか、身辺整理をしながら、シンプルにミニマルに生活したい、と思うばかり。生活の贅肉も、そぎ落とせばそぎ落とすほど、すっきりと身軽に、気持ちよく生活できるものなんですよね。

というわけで、年末の家族へのプレゼントやちょこっとした家具類に、今年は合計500ポンドほど使ってしまいました。明日から日本に帰国なので、まぁ、これだけじゃすまないとは思いますが、モノを増やさないように、それだけは肝に銘じつつ、でも、がんばって働いていただいたお金を使うことに罪悪感を抱くのもイヤだなぁと思わずにはいられません。やっぱり使うときにはいい気持ちで使いたいものです(笑)。

さて、これが今年最後のアップになると思いますが、本当に今年も身の回りの方々にしっかり支えていただき、なんとか、社長としての4年目を無事に乗り越えることができそうです。

フリーランスの翻訳者さん、ライターさん、編集者さん、デザイナーさんを始め、お世話になりっぱなしのクライアントの担当者の方々には、本当に頭が上がりません。今年もどうもありがとうございました。そして、更新頻度が、閑散期の山のなかのバスよりも低い、こんなブログを読んでくださる方々にも心から感謝です。

2010年もがんばって、ていねいにお仕事させていただけるよう、努力したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

あなたにとって、2010年がハッピーで実り多き年になりますように。


1.12.09

取るか、取らないか。

ここのところ、連日、毎週のように、お仕事のお話をいただいては、最終的にスケジュールの関係でお断りしたり、ほかの方をご紹介したり・・・を繰り返しています。

食べきれないほどの分量を、ちいさなお皿にてんこ盛りにすることの弊害、よぉくわかってはいるのですが、やっぱり、せっかくいただいたお仕事に対して、気持ちよく「イエス」と言いたいものだから、その都度、とっても悩んでしまいます。

でも、いまのところ、最終的には「はぁー、あのときお断りしておいてよかったぁ」と思うことばかりです。

限られた分量しか、お皿には載らないのですから、やっぱり自分にとって納得できる、自分にとって価値のあるものだけを載せて、そうじゃないものは載せない、というふうに潔く決断することが大切かな、と思います。そうじゃないと、後から後悔することもあるかと思うんです。

欲張らず、でも自分にとって価値のあるものを、身の丈にあった分量だけお皿に載せる。そして、お皿に載ったものを大切にいただくこと。今後も肝に銘じていきたいと思います・・・。

27.11.09

いま、とーっても幸せな気分です。

またしても、えらく更新を怠ってしまいました。
実はここしばらく、とてつもなく忙しかったのでした。

数か月にわたって練ってきたプロジェクトが、この数日間で完了。今日までの3日間は、体力的にはものすごくハードだったのですが、いま、このうえなくハッピーな気分を味わっています。

今回のプロジェクトは、とにかくチームに恵まれました。
フォトグラファーさん、ムービーのカメラマンさん、取材対象の方、インタビュアーの方、日本からいらしてくださった担当の方、みなさん、同じ地平を目指して全力で走れる方たちとお仕事ができて、体力的にはしんどくても、このチームでお仕事をさせていただけたのは、本当に本当に幸せでした。

いま、幸福感と感謝の気持ちを思いっきりかみしめつつ、アップル・シナモンティーを飲んでいます(やっぱり酒が飲めない私なのね・笑)。

あぁ~、世界中のみんなに感謝をしたい気分です、と美茶に酔う。

このハッピーな気分が、呼び寄せるんでしょうか。
今日はほかの進行中のプロジェクトでも、皆さん、とっても気持ちよく動いてくださる方ばかりで、トントン拍子で感動の一日でした。

本当に本当に、まわりの方々に感謝するばかりです。
とってもとってもありがたいことです。
皆さん、どうもありがとうです!!

11.10.09

先週末のパンと今週末のパンとスープ

ここのところ、週末仕事が続いてます。
というわけで、ちょっと遅くなっちゃいましたが、
先週末のパン。

wholemealbread












全粒粉を20パーセントまぜた、「なんちゃって全粒粉パン」。

そして、今週末のパンは、トマトジュースにサンドライトマト、
さらにバジルとチーズをまぜこんだトマトパン。

TomatoBread












ついでに、今週末は金曜日の午前中にぽっこり時間ができたので、
野菜をがががーっと近所のギリシャ系グローサリーで買い込み、
グールドの弾くバッハの「トッカータ」を聴きながら、
刻みに刻み、グツグツと煮込んだ、名付けて

「ミネストローネ・トッカータ」です。

MinestoroneToccata







最初は、お野菜それぞれが異なる旋律を奏で溶けあう、
料理の対位法・・・などと思っていたのですが、
よく考えたら、バッハを聴きながら、

切り刻まれ、煮込まれる!

「料理のバロック・ホラー」なのでした。キャー。

今週は、忙しいながらも、長いことおつきあいをしている
クライアントさんが「いつものハードワークに感謝して」と
ギャランティ・アップのお知らせをくださり、
とても幸せな週だったのでした。

きょうび、頼んでもいないのにギャラを
上げてくださるなんて、そんなクライアントさん、
ほんと、あまりいるもんじゃありません。
気持ちだけでもほんとうにありがたいことです。

これからもがんばらねば、と、
気持ちも新たにした、週末でした。

24.9.09

本日の「失敗転じて、なんとか食べられるパン」

koropan







突然ですが、うちのオーブンの調子が非常に悪いのです。
で、オーブンとホームベーカリーくんは、なんの関係もないように思えますが、それが実は大アリだったりするのです。

いま、ギプス生活なもので、日常生活に多大なる支障をきたしており、うちのダンナがものすごく、かいがいしくがんばってくれているのです。

「刺身が食べたい」といえば、日系魚屋さんに走り、「ケーキが食べたい」といえば、近所のベーカリーに走り、「ビスケットが!」、「中華が!」と、なにげに、いつもよりもいい生活。

しかし、おとめ座A型の悪癖といいますか、ささいなところにこだわる私と、たいていのことはどうでもよい、おおらかなおうし座O型(たぶん、O型。おおらかすぎて自分の血液型すら把握していない)ダンナの溝というのは、こういうときに明らかになっていくものなのです。

たとえば、かいがいしくお茶をいれてくれるダンナ。しかし、水道から汲みたての水を使い、沸騰直前で止めて、しっかりふたをして3分間抽出、という正しい紅茶のいれ方で普段お茶を飲んでいる私にとっては、「ムー」と思うところも。

昨日も、お米をといで、ざるに上げて20分、炊飯器ながら、いつもどおりのご飯を炊いた(ここまでは自分でやった)つもりなのに、出されたご飯が、なんかふっくらではなく、ごろごろしている。炊き立てでちゃんと空気を入れる混ぜ方をしていない、とか。

なんか、違うんだよね~。

昨日はオーブンを使って、できあいのチキン・キエフを用意してくれたダンナ。オーブンの調子が悪いので、使い終わったあとで、電源からバッスリとオフする習慣がついているために、食後にどれどれと、ホームベーカリーの中をのぞいてみると・・・。

電源切れてるし・・・途中で。しかもこれ、初めてじゃないんです。

「あんた、また、やったね(怒)!」
「あっ、またやっちゃった(ほのぼの)!」

んがーと思いつつ、あれこれしてもらっている負い目もあって、怒りを押し込め、どうしたものかと、思案。

もう、スイッチを入れてもどうしようもないし・・・たぶん二次発酵までしっかり終わっているよう・・・。

仕方がないので、取り出して、丸めて焼いてみたら、こんなんできました。

お味のほうは、まあ、おいしくはないけれど食べられる。

「えー、すごくおいしいよー(ほのぼの)」
「・・・。」

ということで、本日のパンでした。

22.9.09

はじめてのおでかけ。

ashi












なんなんだ、このへんてこな靴は。
・・・と、お思いの皆様。
ロンドンで最近流行のファッションではございません。

先週の木曜日、道でつまづいたのがきっかけで、思いがけず、42にして、生まれて初めての救急病院、そしてギプス&松葉杖生活を送っているのです、私。

今日はどうしてもはずせないミーティングがあり、クライアントさんにお願いして、場所をオフィスではなく、タクシーでアクセスのしやすい大通り沿いの1階のカフェに変更してもらい、はじめての松葉杖でのおでかけとなりました。

ふだん、二本の足で歩いているときには気づかないことですが、世の中、階段が多すぎます。

今月末にパスポートが切れてしまうので、ミーティングのあと、同僚のデザイナーさんにおつきあいいただき、領事館に行ってパスポートの延長の手続きをしたのですが、ここにも大理石の階段。

足のほうは、レントゲンでも骨折は認められず、おそらくじん帯を痛めただけで、痛み止めもきいているので、ギプスで固定してもらっている以上、実は歩けるんじゃないかというイキオイなのですが、ギプスというのは、靴じゃないのでそれで歩いちゃいかんのだそうです(知らなかった!)。

外に出て、うっかりして、ちょっとでも地面に触れて汚れてしまうのはたえられない(それでベッドに入らなければいけないのですからね!)と思い、急遽、ギプスに手ぬぐいをまいてのお出かけとなったわけです。ハー。

いまどきの杖というのは、丸い輪がついていて、そこに腕をつっこんで、ハンドルを手で握って使うため、全体重が手にかかることになり、いまは足よりも手が痛いです・・・。

これからの数日間は病院に行く以外は家仕事なので、ほっ。

なにごとも自分で体験してみないとわからないことが世の中にはいっぱいですね。

皆さまも身体にはご自愛ください。

15.9.09

本日のケーキ

今日、仕事をしていたら、どうしても、どうしても、どーーーしても、ケーキが食べたくなった。

だけど、買いにいくのは億劫・・・うーん~どうしよう・・・

と思って、つくりました。

キャロット・ケーキ

carotcake













といっても、つくったのは、相変わらずホームベーカリーくんです。

マズくはないんですけど・・・ホームベーカリーくん、ケーキを作るのはあまり得意じゃないのかも・・・手で作るほうが、断然おいしいです。

手間は惜しむべからず・・・って買いに行けばよかったのかな。

12.9.09

今週末のパン

今年に入ってから、だいたい週末ごとにパンを焼いています。
といっても、焼いているのは私じゃなく、ホームベーカリーくんです。

レーズンパン、チーズパン、トマトパンなど、いろいろ手を変え品を変え・・・なのですが、このぶんでいくと、いままでどんなパンを作ったことがあるのか、忘れてしまいそうなので、自分記録用に残していくことにしました。

ということで、今週末のパン。

OliveBread02













刻んだオリーブを混ぜ込んだオリーブパンです。

OliveBread01

9.9.09

運がよいと言われても、やっぱり嬉しくないもの。

昨日、朝起きて水道の蛇口をひねると、水が出ない。
断水のお知らせもないのに、おかしいなぁと思いつつ、
そのまま様子を見ようとほっておいたら、どこからともなく水の音。

水道をひねったら、水が出る! よしっ。

と思って、しばらくしてお茶を入れようとしたら、また水が出ない。

どういうこっちゃと、とりあえず、ダンナに電話して、
水道がなぜか不安定なので、両手で持てる限り、
ミネラルウォーターを買ってくるよう指示を出し、
ふぅ、と思っていたら、しばらくして下の駐車場から、
ダンナが電話してきて、「カーテンを開けて外を見よ」と。

んんん? どひーっ。

(クリックして拡大↓)
mizu













水、噴き出してるー!!!

こりゃ、水、出ないはずです。
ものの1分くらいの間にどこからともなく、水道会社の車が来て、
へんな長い棒みたいなハンドルを差して、ぐるぐると回すこと、
わずか10秒ほど・・・。
あっけなく噴出は解消し、水道から水が出るように。
朝から噴いていたのかと思うと、恐ろしいことです。

そして、今度は今日の話。
今日、ロンドンは、再び夏日の暑さでした。

クライアントのオフィスで、新しいプロジェクトの
ミーティングがあり、その前にデザイナーさんとふたりで、
ご飯を食べて、軽く打ち合わせをしておこうということに。

あんまりお天気がいいので、
クライアントのオフィスの近くにある広場で、
ファイルなどを広げて、打ち合わせをしていたら、
私が開いたファイルの上に、上からポトリと・・・。

鳥のフンが・・・。

ギャーなどと言いながら、急いでティッシュで拭きとり、
「よかった、ビニール加工してあって」
などと強がり(?)を言いつつ、クライアントのオフィスへ。

ミーティングのテーブルで、左隣に座ったデザイナーさんが、

「ギャー、肩にもついてますぅー!」

そうなんです。
白いシャツの肩に鳥のうんこをつけて、
エラそうに企画の説明とかしようとしていたんです。
私・・・カッコわるすぎ~(汗)。

クライアントさんが、濡れティッシュで拭いてきたら?
と言うので、デザイナーさんが手伝ってくれて、
なんとか、よくわからないくらいまでに、拭きとって、
再びミーティングへ・・・。

クライアントの担当さんたちは、

「それは運がいいっていうことよ~」
「そうそう、ラッキーサインって言われてる!」

などと、皆、やさしく、口々に慰めてくれたなか、
夜、ダンナに会って、

「やー、今日、鳥にうんこかけられちゃってさー、二度も」

と告白するや否や、

「ヤッキー(訳:汚ねー)」とひと言。

やっぱり身内は容赦ないというか、逆に、
みんな実はそう思ってたんだよね・・・
でもやさしく慰めてくれたのよね・・・と思い、
やっぱり、いくら運がよかろうが、
嬉しくない出来事として、胸に刻まれました。

教訓: お天気のよい日の公園は頭上に注意。


20.8.09

結婚記念日でした

5月の日本以降、すっかり更新がご無沙汰になってしまいました。
帰国してからというもの、2月以来の忙しさに忙殺されていたのです。

結局、腰を落ち着けて、ゆっくり仕事をできたのは、3月4月の2カ月だけ。あとはまた、忙しい忙しいと言いながら、毎日追いかけられるように仕事。

とてもありがたいこととは知りながら、もう少し、余裕のある仕事の仕方ができないものか、考えていくのは課題です。
あまり忙しいばかりの日々だとアイデアが煮詰まってしまって、決して理想的といえないですよね。

さて、まったく仕事とは関係ないですが、今日は結婚12周年の結婚記念日でした。そこで、(日本だったら考えられないような暴挙ですが)クライアントさんにも「結婚記念日なので、今日は仕事を休みます」と宣言し、夫とふたりでケント州の海辺の町、ウィツタブルに行ってきました。

ここには以前に取材で来たことがあり、新鮮なカキのおいしさに感動した覚えがあって、今回も私にとってはカキが第一の目的でした。

夫のほうは初めてのウィツタブル。駅につくなり、ハイストリートをとりえあず通り抜け、海辺のカフェで、生ガキを3個ずつ。

パブに行ったり、海辺をぶらぶらしたりして、2時半くらいに遅めのランチで、ハイストリートのレストランへ。ここでもやっぱり、シーフード三昧のランチをいただきました。

再び海辺へ戻って、海岸沿いのちょっとした日陰で私は読書。夫はというと、周囲もびっくりなイビキで爆睡。ちょっと恥ずかしい気もしましたが、せっかく気持ちよさそうに眠っているし、それほど人に迷惑をかけているわけでもなかろうと、そのまま1時間以上、昼寝タイムです。

とりたてて、豪勢なことをしたわけじゃないのですが、久しぶりにふたりで遠出できて、のんびり過ごせて、私にとってはとっても贅沢な結婚記念日でした。ただの日帰り旅行ですが、これからは、もっとひんぱんにこうやって、ふたりで出かけられたらいいな、と思う次第です。



27.5.09

いま、空港~・・・

いま、ヒースロー空港の第三ターミナルで、これを書いています。
これから飛行機に乗って、正味1週間ほどですが、駆け足で出張です。

ヒースローでは、日本行きの直行便のほとんどが、この第三ターミナルに発着します。

ということで・・・。

マスクをしている人がいっぱいいて怖いです・・・。

日本人だけです、マスクしてるのは。

マスクしたからって、いったいどのくらい意味があるのでしょうか。
よくわかりませんが・・・。

私は日本にいたときから、マスクのあのしっとり感が気持ち悪くて、前歯を抜歯して、口から血が噴出したとき以外、マスクってしたことがありません。

日本に帰ったら、もっとマスク人口密度が高いんですよね。

ああ、怖い。

しかし日本の地を踏むのに体温チェックなどを通過しないと、飛行機から降りられないという話すら聞いたことがあります。
さて、どうなりますやら・・・。

あ、ゲートの番号が出た! では行ってきます。

9.5.09

母校のホームページを見た

自分がすっかり親になる年代になっても、子どもがいないせいか、いまだに親目線で世の中を見られない私。

今日、なにを思ったか、母校の高校のホームページをのぞいてみた。

私が行ったのは、髪型まで指定のある校則でがんじがらめの私立高校。

靴下はレースがついてたらイケナイ、とか、カバンの幅は何センチなくちゃイケナイとか、「イケナイ」尽くしの学校生活の中で、いかに素早く駅で靴下を履き替えるかとか、パーマをかけても三つ編術でカバーでできる方法とか、要領よく生きる術だけを教えてもらったような気がする。

世の中変わればかわるもので、なんとデザイナー制服になっていて、ご丁寧にえらくスカした男性デザイナーの写真とプロフィールまで載っていて、正直言ってかなりコッ恥ずかしい。

Q&Aのページを見たら、「校則は厳しいですか」というえらくストレートな質問(笑)が載っていて、それに対する回答がまた、なんともはや。

「将来どこに行っても恥ずかしくない社会人としての資質」、「基本的生活習慣、礼節・公共心・他人への思いやりなど内面的なことまで教員は指導」、「木目細かな生活指導」などという言葉を見るにつけ、その実、なーんも変わってないんだろうな~と思うことしきり。

カバンの持ち方まで注意することが、「どこに行っても恥ずかしくない社会人」を育てることになるのだろうか。

そもそも、「恥ずかしくない社会人」っていったいなんだろう。

おんなじカバンの持ち方をして、おんなじ挨拶をして、おんなじ歩き方をして、おんなじ靴下の折り方をした「恥ずかしくない社会人」がボコボコ量産されていくことのほうが、よほどそらおそろしいと思うのだけれど。

いまだに、戦争になったときに、統率しやすい人材づくり・・・なんでしょうかね。

とりあえず、個人的には朝礼での「前へならえ」から、まずやめてもらいたい、と思ってしまうのですが・・・。そんな私だから、実は「日本に住んでいない」だけのつもりでも、本当のところ「日本に住めない」のかもしれない・・・と、いまさらようやく気づき始めた今日この頃・・・。

18.4.09

映画「おくりびと」

今日は、ナショナル・ギャラリーに、映画「おくりびと」を観に行ってきました。

水曜日から今日までの3日間、JCE(Japan Care for Elderly)という団体の主催で行われた映画祭の一環です。JCEは、イギリスに日本人のための老人ホームを作ろう、という活動を行っている団体で、この団体に参加している友人が映画祭の情報をいち早く教えてくれたので、チケットを購入することができましたが、どうも早々に売り切れてしまい、チケットを買えなかった人も多くいたようです。

映画「おくりびと」については、オスカーの外国語映画賞を受賞したこともあり、いまさら私が解説する必要もないと思いますが、「納棺師」という職業、映画を観るまで、私もほとんど知らなかったです。

映画のなかで、「昔は家族で行ったこと」という説明が出てきましたが、実は、5年前に父が亡くなったとき、私たちはこの作業のほとんどを家族で行いました。

3か月の入院生活のあと、病院ではもう治療できることがない、ということで、また父本人も、病院生活に疲れ果て、とにかく一日も早く自宅に戻ることを希望していたため、訪問医療の緩和ケアを選びました。

私も日本に帰り、自宅介護が始まった3日目に父は亡くなったのですが、そのときに訪問医療の看護士さんの指導で、私たち家族は父の体を拭き、洋服を着替えさせました。こんなに親密な最後の親孝行を他人の手にゆだねるのではなくて、自分たちで行えたことも含め、この看護士さんとクリニックには、いまでも、感謝の気持ちでいっぱいです。

「おくりびと」の映画を観ながら、納棺師のプロフェッショナルなお仕事に感心すると同時に、いま一度、やっぱりこれは、できることなら他人ではなくて、身内にしてほしい作業なんじゃないかなぁ・・・と、そんな思いを抱かずにはいられませんでした。

8.4.09

映画「Dammed United」とイングランド・サッカーの衰退

映画「Dammed United」を観てきました。
この映画は、60年代後半にイングランドのサッカー・リーグ、
セカンド・ディヴィジョンの最下位群にいたチーム、ダービーを
見事プレミアリーグ昇格、そしてプレミアリーグのトップへと率い、
さらに、70年代にやはり無名チームだったノッティンガムを
2度も欧州杯で優勝するに至らせたブライアン・クロフ監督の成功と、
リーズ・ユナイテッドでの失敗を描いた作品です。

ダービーで大成功を収めるも、マネジメント陣と対立してしまった
クロフは、チームを去らざるを得なくなります。
そこで、次にブライトンからオファーを受けたクロフは言うのです。

「ブライトンは自分の土地じゃない。
自分のチームじゃないのに監督はできない」

この台詞、いまのイングランドのサッカーに
いま一度思い出してほしい、と思ってしまいました。

前回の欧州杯では、思いっきり予選落ちを遂げたイングランド。
この敗退図の後ろ側には、このメンタリティを忘れて、
コマーシャリズムに走り続けた背景があると思うのです。

その昔、サッカーは地元民のものでした。
土地のチームをサポートし、地元のスタジアムに通い、
子どもたちは地元のスター選手を見て、
サッカー選手に憧れて、学校のチームで汗を流していました。

しかし、特にルパード・マードックによるメディア合戦以来、
サッカー、特にプレミアリーグは、
地元民の手の届かないところに行ってしまった。

テレビ観戦しようにも、有料の衛星放送。
スタジアムに行こうと思っても、年間契約の法人席を得たり、
年間数百ポンドを支払っての会員になって初めて、
100ポンドからする入場券が買えるという、商業主義。
庶民からは遠く離れたところに行ってしまったのです。

子どもたちのサッカー離れは進み、
いまではサッカーチームのない小学校も多いと聞きます。
そんななかで、未来の人材が育っていく厚い層が
期待できるはずもありません。

そんな理由から、少なくともこれからの20年も、
イングランドのサッカーがさらなる衰退の道をたどるのは、
悲しいかな、目に見えていると、私は思ってしまうのです。

「Dammed United」がちょっとでも、
失われた庶民のサッカーを思い出させてくれる
カンフルになるといいなぁと願わずにはいられないです。

28.3.09

人間関係を「Neglect」するべからず

今日、日本から、ひとつ連載終了のご連絡をいただきました。
各国の最新情報を掲載するページで、ロンドンの最新情報を毎月拾って掲載するページで、3年くらいお世話になっていたお仕事でした。

連載終了自体は、それはそれでいいのですが、そのお知らせのメールというのが、ちょっとこう、なんといいますか、「いたたまれない気持ち」になる部分がありました。

このメール、たぶん、各国のライターさんたちに全部同じ文面で、名前の部分だけ変えて送付していらっしゃるようなんですが、

「○○さんの送ってくれるネタは特にすばらしく、○○さんの審美眼はスゴイっすよ!」

といった軽めの文章で、なんとあろうことか、最初の○○には私の名前が入っていたものの、あとのほうの○○には別のライターさんの名前が入っていたのです(爆!)。

きゃー、もうなんと言っていいやら。もちろん送ったご本人は気付かずに送付されたんでしょうけれども、これに気付いたときには、きっと顔面蒼白になること間違いありません。その気持ちをひとり想像してしまい、いたたまれない気持ちになってしまった次第です。ああ、もう、ひとごとながら、穴があったら入りたいっ。もちろん、何事もなかったかのように、「了解しました」の返信をさせていただきましたが・・・。

それにしても、クリックひとつで送れるメールっていうのは、こういう怖い一面があるんですよね。以前にもメールの怖さについて書いたことがありましたが、手紙でも電話でもメールでも、直接会うにしても、「人間関係に手を抜かない」ということこそが、原理的な鉄則である気がします。それさえ守っていれば、今回の失敗も避けられたわけで。

それで思い出すのが、うちの夫の妹です。彼女は、おそらく私が今までの人生で出会った人のなかで、最も「いい人」。兄(うちの夫)と2人の弟、自分の娘ばかりか、いとこや義理家族までも、彼女によってしっかりとつながれているような、まさにファミリーのヒンジであり、Hubです。

誕生日や結婚記念日には必ずカードをくれるのはもちろんのこと、私が日本に帰るときには出発前と、戻ってきた翌週には必ず電話をくれて、「日本の家族は、どうだった?」と聞いてくれる、そしてファミリーのなかで「誰々が病気でどこそこに入院しているから、見舞いに行った方がいい」とか、「いとこの誰々がイースターに帰省してくるから、いついつに来れば会える」とか、絶妙なタイミングで連絡をくれるのです。

そんな彼女と、いつだったか、ふたりで話をしていて、とても印象的だった言葉があります。

「私は、父親を早くに亡くしてるでしょう(彼女が20代前半の時に他界)。だから、そのときに思ったの。人はいついなくなるか分からない、だから、人間関係を『Neglect(軽視とか、看過とかいう意味)』してる時間なんてないんだなぁって」

この言葉、胸に突き刺さりました。

私はズボラなので、彼女のようにはとてもなれないけれど、今回のメール事件もあって、人間関係に手を抜いてはいけないんだ、と、改めて肝に銘じたのでした。

27.3.09

初めての歌舞伎

今日は、生まれて初めての歌舞伎を観てきました。
蜷川幸雄の演出で、演目はシェイクスピアの『十二夜』、
尾上菊之助、尾上菊五郎などの出演でバービカンで公演中です。

ものすごい人気で、数週間前に気付いた時には、
すでに本当に後ろの後ろの方、日本だったら桟敷と呼ばれる
後ろの端っこの席しか空いてなかったのですが、それでも、
かなり楽しめました。

オリヴィエ姫が織笛姫など、シェイクスピアのオリジナルの
脚本を日本風にかなりもじってあり、ほとんどオリジナルの
作品といってもよかったんじゃないかなあと思います。

途中、若干もたついて眠ってしまった部分もありましたが、
全体的にはとても楽しめました。
特に印象的だったのは、チェンバロを音楽に使っていた点です。
対位法を用いたバロック調の曲のチェンバロ演奏に、
日本の鼓という組み合わせが非常に新鮮でありながら、
以外にもしっくりなじんでいました。
(ひょっとしたらチェンバロではなく、
クラヴィコード、またはヴァージナルなのかも・・・)

東京では6月、大阪では7月に公演があるようです。
ご興味のある方は、ぜひ行ってみてください。

23.3.09

海外に住むということ

ロンドンで最初に通った英語学校で知り合った14年来の友人が
脳卒中で倒れ、今日は彼女のご両親を連れて病院に行きました。

たまたまウィーンにご旅行中だったご両親の日程を
別の友達が見つけ、連絡してくれて、日本に帰る前日に、
急きょ行き先を変えて、帰国せずにロンドンに来てくれたのです。

ご両親は英語があまり達者ではないので、
やはり誰か付き添いがいた方がいいということで、
駅で待ち合わせをして、病院まで一緒に行きました。

金曜日に二度目の手術をした彼女をお見舞いするのは、
実は、私にとって二度目でした。
金曜日の午後に別の友人がご両親を連れて見舞ったあとで、
連絡をくれて、会える状態にあることを教えてくれたので、
金曜日の夜、急いで病院に行ったのです。

ICUのベッドに横たわった彼女は、すやすやと眠っていたので、
その日は起こさずに、そのまま5分くらいベッドサイドにいて、
帰ってきてしまいました。

家族や親せきと離れ、海外に住むと、友人の大切さ、
共同体の大切さを、本当に思い知らされます。
「袖触合うも多生の縁」とはよく言ったもので、
今まで、ふとしたきっかけで知り合った人たちに、
どれだけ助けてもらったことか。

そして、私自身も微力ながらできることは惜しみなく、
人のために動いていきたいと心から思うのです。

これは、大切な友人だから、ということ以上に、
共同体意識のほうが強く働いていると思います。
これがたとえ、それほど親しい友人でなかったとしても、
同じように、ご両親を迎えにいくだろうし、
同じように付き添って通訳するだろうと思うのです。

逆に、それほど親しくない友人であっても、
自分が窮地に陥った時に手を差し伸べてくれたなら、
ありがたく、その手をお借りしてしまうだろうと思います。

そういえば、以前に旅行中に水ぼうそうになってしまった
日本人女性とたまたま知り合い、困っていらしたので、
あれこれお世話をしたり、ホテルにおにぎりを持って
お見舞いに行ったこともありました。
旅先で具合が悪くなって、気が弱くなっていたところに、
日本語で助けてくれる人がいて本当にありがたかった、
と言っていただき、微力ながら少しは役に立ったようです。

その方とも、それっきり連絡を取り合ってはいませんが、
それでいい、と私は思っています。
もしも、彼女がそれをほかの困っている人に返してくれたら、
これほどありがたいことはないです。

今日、帰り際、ベッドのなかから、
「世話かけちゃって悪いわね、ありがとう」
と弱々しい声で言う友人に、
「私の番がきたら、よろしくお願いします」
と返して、笑われました。

日本に住んでいたら、こんなふうには思わなかったかもしれません。
海外に住むって、共同体のなかにいる自分を強く意識することでもあるのです。

13.3.09

押しどころと引きどころ

ここのところ、自分は本当にクライアントさんに
恵まれているなあと思うところが大きく、
日々感謝の気持ちで仕事を進めています。

イギリスの出版社から日本の媒体をローンチしようという
プロジェクトに携わるようになって1年近くが経過。
私の企画が、思いのほか好調に進み、あれよあれよという間に
恐ろしいほどの反応のよさで、実現が見えてきてしまいました。

もちろん、このご時勢、なにがあるかわからないので、
急に頓挫することも念頭において、そうそう浮かれても
いられないことは重々承知で、わくわく感とともに、
危機感もいっぱいあることは確かなのですが・・・。

まあ、そんなわけで、昨年の夏から何度も何度も、
イギリス人のディレクターやプロジェクト・マネージャーと
ミーティングを重ねています。
特に実現が見えてきてからというもの、プロジェクトに関わる
イギリス人の数もググッと増えて、編集者やデザイナーも、
ミーティングに加わるようになりました。

日本人同士のミーティングと違って、「空気を読む」とか、
「なんとなく察する」とか、そういうことが通用しないのは、
当り前のことで、私自身もいいものを作るためには、
自分の意見は、相手にわかるようにちゃんと言わなければいけない、
ということを心掛けてきたつもりでいます。

でも、ミーティングに参加するイギリス人の数が増えて、
押されてしまう部分もあり、自分がリードしてきたはずの
プロジェクトの手綱が、ちょっとゆるんでしまったのでしょうか。
または、結局はクライアントの最終判断がプロジェクトを
動かすのだから、あまり出すぎてもいけない、という、
他力本願的な気持ちが、私のなかであったのでしょうか。

「押さえどころ」だけはちゃんと押さえておかなくちゃ、
と思いながらも、なんとなくもやもや感の残るミーティングが、
最近一度だけありました。

ミーティングの翌々日、プロジェクト・マネージャーの女性から
長い長いメールをいただき、
「なんとなく遠慮して、思うところを全部言ってないのではないか、
自分にだけはオープンに、すべて話してほしい」
という内容で、その心遣いに涙が出る思いでした。

それと同時に、そういう印象を残してしまった
自分の未熟な部分にも反省することしきりで、
ありがたいやら、恥ずかしいやら。

結局、私の方も長い長いメールで感謝の気持ちとともに、
自分の言いたかったことをなるべく客観的に書き綴りました。
そして、その結果、やはり私の提案する方向で進めることに。

こんなふうに、一外注の気配を察してフォローしてくれる
クライアントさんとお仕事できるというのは、
本当にラッキーだなー、とつくづく自分の好運に感謝するばかり。

それと同時に、もっと自分も辛抱強く、怠惰におちいらず、
自分の思うところを隅々まで言葉にしなければいけないと、
肝に銘じたのでした。
ああ、大人にならなければ。未熟すぎる、自分・・・。


7.3.09

ヘアカットに体毛の謎を思う

ようやく、ようやく美容室で髪を切ってもらいました。
3か月ぶりくらいだと思っていたら、美容師さんと話しているうちに、なんと7、8か月ぶりだったことが判明。そりゃあ、ぼさぼさのぼうぼうになるはずです。

しかも私は髪の毛が伸びるのが異様に早いのです。1か月に2センチくらいは軽く伸びます。そのうえ、髪の毛の量もはんぱじゃなく多いときている。8か月ぶりっていったら、それだけで16センチ以上ですから、洞窟から出てきた仙人のようになってしまうのも当然です。

そこで、ふと誰かに言われたことを思い出したのですが、髪の毛が伸びるのが早い、というのは、危機的な状況から体を守るために、毛でカバーしようと体が働くからであって、決して健康だから、ということではない、らしい・・・と。ジャングルとかで育つと髪が伸びるのが早いとか、そういうことらしいんです。

それで、あっ、と思ったのが、私の場合、体毛も猿のようで、私より毛深い日本人女子には会ったことがありません。トルコ人男性とか、ああ、こりゃ完敗、という人もたまにいますが、女子部門では国際試合でも、かなりいい線いける自信があります。

それで、この髪の毛説、体毛にもあてはまるんじゃないかと思うのです。これって、自己防衛本能の強さの現れなんじゃないか、とか。

確かにうちの夫なんて、髪もうすいですが(これは次第にだけど)、足の毛なんかも、私よりもはるかにない。で、地下鉄のホームでも黄色い線の外側に立っちゃったりするんです。私は、といえば、しっかり下がって、誰からもぶつからないポジションをキープしたいほう。

ほら、自己防衛本能と体毛の関係、証明できそうな気がしませんか。ただいま、ケーススタディ募集中です。



27.2.09

「また」財布をすられたらしい・・・。

今日の夕方、楽しみにしていた日英クイズ大会に行こうと、
クライアントのオフィスから足早にピカデリー・サーカスを
横切ろうとしたそのとき、一緒に歩いていた友人が、
「カバン、まる開きになってるよっ」と一言。

えーと思いつつ、背中のリュック型ブリーフケースを見ると、
なるほど、たしかに丸開きになっています。
こんなふうに開いたままにしてた記憶はないのに・・・
と思いつつあせって確認すると、財布がない。

ギョエー、またですか! と思い、
来た道を引き返してオフィスまで戻りましたが、やっぱり落ちてない。
これはやられてしまったかと、愕然としたわけです。

前回同様、お財布のなかの現金はおそらく10ポンドくらい。
クレジットカードも入っていないとはいえ、
スーパーのポイントカードやショップカードも多く入っていて、
すべて再発行してもらう必要があります。

私の場合、ロンドンに住み始めた95年に深夜のひったくりに遭い、
そうとう怖い思いをして以来、10年以上こういうこととは無縁に、
かなり平和に毎日を送ってきたのですが、
2006年の3月、カフェでまるで手品のように
現金だけ200ポンド盗まれたのを皮切りに、
2007年10月の盗難、そして今回の一件と、
まるで毎年恒例のように財布、または現金を盗まれるのは、
どうしたものかと、これは私が悪いのか、と思っていしまいます。

しかしその反面、こうも続くと、感覚がマヒしてくるというか、
これは「事故」とか「事件」というよりも、
「日常のなかで起こりうる普通のこと」とそれほど腹も立たず、
まるで風邪をひいてしまった、くらいの感覚で、
「仕方ない」と思っている自分がいることにもちょっとびっくり。
これはいいことなのか、悪いことなのか・・・。

あんまり慣れたくない出来事ではありますよね・・・。


26.2.09

煩悩リストのその成果

先日、煩悩リストなるものを作っている旨、
このブログにも書きました。

大きな仕事が一段落して、はや2週間近く。
煩悩リストの進捗状況なのですが・・・

済 ヘナ
未 ヘア・カット
NG ピアノ・レッスン週1
済 コンピュータ・セットアップ
未 リフレクソロジー
済 グールドDVD
△ 大掃除
△ ねる、思いっきり。

と、思いのほか、進行状況がよろしくなく、
このままでは、次の仕事の繁忙期までに、
このタスクを終えられないのでは、とちょっと焦り気味
(ちなみにピアノレッスン週1がNGなのは、
先生に2週に1度のペースをキープした方がよい、
と言われて、さくっと却下となったためです)

今回の仕事の忙しさは数年ぶりの激しさだったので、
先週1週間はみごと、「フヌケ」のようになってしまったのも、
この進行の遅れの一因となっています。

そして、こうして、眠れる環境にあるにもかかわらず、
半端に眠れずに、朝5時にブログを更新しているところに、
さまざまなマイナス要素が潜んでいるような気がしてなりません。

でも、眠れないんですよ、珍しく。
忙しい時には立っていても眠れるのに、困ったものです。

25.2.09

今日は紅茶がぶ飲みのお話。

タイトルからすでにバレバレですが、コーヒーが大好きです。
決して詳しい方ではないのですが、
豆は、オーダーした日にローストしてくれるショップで購入、
ある程度まとめ買いしますが、冷凍庫で保存し、
毎回飲む分だけ出して手でゴリゴリと挽きます。
あとは、普通にペーパーフィルターを使って、
コーヒーを落とすだけなのです。
毎回3種類くらい豆を用意しておいて、
気分によって飲み分けています。

そんな私ですが、お仕事で紅茶の勉強をしなければならなくなり、
1日7時間の集中紅茶クラスに昨年の夏、参加しました。
英国紅茶協会の主催するマスタークラスという講座で、
紅茶ができるまでの工程や、テイスティングなど、
かなり幅広くいろいろ教えてくれます。

テイスティングでは合計10種類くらいのお茶を味わうのですが、
実際にやってみると、そのお茶の味の違い、色の違い、
香りの違いは、プロじゃなくてもはっきりとわかるくらい、
お茶の味って違うのです。
ただ、プロじゃないので、それをどう表現していいのか、
そのあたりが本当によくわからないんですよね。

というわけで、この講座に出て以来、コーヒーよりも
紅茶に傾きつつあります。
コーヒーを入れるよりもてっとり早い、というのも大きな理由。
以来、常にアッサムとダージリンは常備するようにしています。
アッサムは独特の甘みと濃厚さがあり、
ダージリンは、紅茶のシャンパンといわれるだけあって、
豊潤な香りとクリアな味が特徴です。
ダージリンに似たシッキムというお茶を飲むこともありますが、
こちらのほうがダージリンよりもマチュアな苦みがあります。

それほど多くの会社の紅茶を試したわけではありませんが、
私が飲んだ3社ほどのなかでは、Higginsの紅茶が一番おいしいです。
量り売りで、大きな缶の中から紙の袋に入れてくれて、
ひもでギュッと結んで、ラベルを付けてくれる
そのレトロな感じもすてきです。

紅茶講座で、紅茶の保存法についても習ったのですが、
紅茶は直射日光に当たるのがよくないらしいのです。
なので、やっぱりビンよりも缶での保存が適しているとのこと。

またHigginsは、ちゃんと紅茶とコーヒーのカウンターが
お店の端と端に、離れて位置しています。
これも、香りが移らないようにするための気遣いかな、
と思うのです。

紅茶・コーヒー専門店のなかには、
コーヒーも紅茶も並べて同じカウンターで扱っていたり、
きつい香りのピーチティーの棚にほかの紅茶も全部並べていたり、
せっかくよいお茶を売っているのかもしれませんが、
これでは台なし! と思うところも少なくないのです。

昨日は、仕事の帰り道だからという理由で、
コベントガーデンの某紅茶専門店で、
アッサムとダージリンを購入しましたが、
Higginsの紅茶に比べて色にも味にも濁りが。
なにやら独特な匂いがあり、しかもHigginsよりも高かった!
お店の人の対応も特に親切ではなくて、
2つまとめて買ってしまったことを後悔・・・。

というわけで、早く終わらせたいがゆえに、紅茶がぶのみ中です。
これが終わったら、再びHigginsの紅茶に切り替えたいと思います。

20.2.09

歯が痛い・・・(涙)

今週火曜日、歯医者さんに行って、右奥2本の差し歯の準備ということで、ずいぶん昔にかぶせたものを取ってもらい、仮でかぶせてもらって帰ってきたのですが・・・それが3日後の今日、まだ痛い(くぅー)。

正確に言うと、痛いのは歯ではなくて、歯茎というか歯の付け根なのです。
その昔にかぶせたもの、というのが屈強でなかなか取れなかったらしく、歯茎を切らざるを得なかったとのこと。

それで、ここ3日間おかゆとか、ご飯とみそ汁とか、うどんとか、ちょっとした病人食を続けています。もともと肉をいっぱい食べたいほうではないので、それ自体は特に問題ないのですが、やっぱり歯が痛いというのは辛いです。

しかし歯科治療が痛いのは、物理的なことだけじゃないみたいです。

治療の翌日の水曜日、歯医者さんの事務を担当している女性から電話があり、「あなたの加入している保険会社が、今年からポリシーを変えて、差し歯は年間1本しかカバーしない、ということになったようなので、再度チェックしたほうがいいですよ」と言われました。

年の初めに、このポリシーの訂正についてはチェック済みで、「年間1本ではなく、去年が500ポンドを上限に75%カバー」だったのに対して、上限は変わらず、ただ「50%カバー」に変わったというのをすでにチェック済みだったので、「ちゃんと調べてあるので大丈夫ですよ」とさらりと答えました。

「そうですか。では、2本治療するという決断は変わらず、ということでいいですか」と聞かれ、こんなに痛い思いしてるのに治療せんでどうする!?という心の声を押し殺し、「ハイ、そのままでお願いします」。

「実は、治療を受けた後で、払えなくて困っている人が多いんです」と事務の女性。

んがー。保険をあてにしていたのに、保険料が出なくて、ってことですね。治しちゃったあとで・・・こればっかりは、返品もきかないですしね。

確かにこの金融不況の影響があるのかないのかわかりませんが、私の加入している歯の医療保険、年々、カバーされる部分が少なくなっていきます。3年前までは、年間のカバー上限は2000ポンドで、その内訳も問わなかったのに、現在ではその半分の1000ポンドです。しかも内訳も、差し歯はその半分の500ポンドが上限、50%カバーです。

ふだん、不況を肌で感じることがめったにない私ですが、この歯医者さんからの電話には、ちょっと「イヤーな不況の空気」を感じました。


19.2.09

サイモン・マクバーニーの「春琴」

仕事がちょっとひと段落ついたこともあって、
午前中にピアノ・レッスンを受けて、
午後は、いまバービカンで公演中の「春琴(Shun-kin)」を観てきました。

サイモン・マクバーニー率いる英国の劇団コンプリシテと、
世田谷パブリックシアターのコラボのプロダクションで
マクバーニーの演出、深津絵里主演で、日本で初演した作品が
演出家のお膝元ロンドンに凱旋したかたちです。

ストーリーは、谷崎潤一郎の「春琴抄」をベースにした、
盲目の女性、春琴とその手引き佐助の偏愛を描いた作品です。

マクバーニーの演出がなかなかすばらしく、
役者さんはずっと舞台に出ずっぱり状態なので
大変だとは思うのですが、非常におもしろい作品に
仕上がっていたと思います。

深津絵里ちゃんもかわいかったです。
あとすばらしかったのは、三味線奏者の男性が、
ひとり、ずっと舞台の上で、三味線シーンのほか、
効果音までも担当しているのですが、この方がすごい!!
三味線という楽器のポテンシャルにも、再認識させられました。

この作品、ロンドン公演のあと、3月5日より、
世田谷パブリックシアターで再演が決まっているようです。
なかなかおすすめの作品です。




10.2.09

いっちょまえにマンデー・ブルーなんぞになってみたり。

ひとり会社の、しかも自宅作業の、
こんな環境にいるくせに、いっちょまえに
「マンデー・ブルー」なんぞを感じてみました。

というのも、1月からずーっと締め切りに追われて、
土日も毎日働いていたのに、
この週末は、本当に久しぶりにお休みできたのです。

ふわぁーと(プチ)開放感を味わい、
訪ねてきた親せきと食事に行ったり、ギグに行ったり、
なかなか楽しい時間を過ごし、
ふと気づくと、すでに日曜の夜。

あぅー、明日からまた仕事ー! と思って、
会社勤めの方々のように、いっちょまえに、
ブルーにおちいってみたりしたわけです。

仕事は決して嫌いではないですが、
やっぱり責任がともなうぶん、
楽しいだけではやっていられないし、
「楽しいから」やっている、
では、プロじゃないと思うんです。

若いころはちょっと違って、
仕事が「楽しいから」残業も平気って、
普通に思っていたんですけどね。
今思うと、ちょっと違うなあ、と思ってしまいます。
若気の至りですかねー。

楽しかろうが、楽しくなかろうが、
実は、それはどうでもよくて、というよりも、
それが仕事の達成度に影響を与えるべきではなくて、
お仕事として、お金をちょうだいする以上は、
残業だろうとなんだろうとしなければならず、
きちんとした一定のクオリティのある
お仕事をしていかなくちゃいけないんだよなぁ、と。
堂々とお金をお支払いいただくには、
やはり、それなりの苦労と苦痛はつきもの、
なんですよね。

ただ、その苦労と苦痛は、
「それほど悪いものじゃない」、
っていうのは、いまも昔も変わりません。

さて、がんばって仕事に戻りますか。

7.2.09

プチ開放感

本当は、「大開放感」のハズだったのですが、
もろもろの遅れと追加のお仕事のために、
今日中に、「大開放感」に至ることができず。

同僚のデザイナーさんと、
「今日は打ち上げだ! 仕事帰りにマッサージだ!」
と「一昨日までは」大いに盛り上がっていたのですが、
なんと、今日は夜中の12時半までオフィス仕事でした。
タクシーに乗ったのが1時15分。

さっき帰ってきて、お茶を飲んでいるところです。
それでも、今週は2度もオフィスで日付が変わってしまって、
タクシー帰りだったのが、来週は少なくとも、
こんなに大変じゃない! ということが
わかっているだけで、もう、プチ開放感です。

来週は煩悩リストのなかの
いくつかは達成できるかな~、なんて、
そしてここ3週間くらい、なんと一度も、
家で食事を作っていなかったので、
食生活もちょっと整えていきたいなー、とか、
もっと、食後にテレビを見たり、ビデオを見たり、
まったり過ごせるかなぁ、とか考えると、
ちょっと楽しみなのです。はぁー。

3.2.09

ロンドンのフツーの1日、ある一点を除いては。

今日も朝から、締め切り前のため、クライアントのオフィスにつめなければいけなかったので、フツーに駅に向かいました。

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オフィスは、レスター・スクエアに面している7階です。

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別の窓からは、ビッグベンやロンドン・アイが見えます。

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ben_yuki







夜9時半ごろ、仕事がひと段落ついたところで地下鉄で帰ってきました。今日もきわめてフツーの一日。この雪さえなければ……。

社員数おそらく100人ほどのクライアントのオフィス、今日出社したのはおそらく10人くらい。うち3人は、いま締め切りに追われている我々チームの社員さんたち。

ほかの人たち・・・ありえない(汗)。

でも、ふくらはぎまで、ずぼずぼ埋まりながら歩いて行くのは、疲れるけど楽しかったです(小学生の作文のようですね・・・笑)。

2.2.09

大雪のロンドンから・・・

いま、ロンドンは大雪です
明日、地下鉄が動いてるかどうか、とっても不安。

これからの数日間は、1秒の猶予も許されない締切週間(しかもクライアントのオフィスにつめなければいけない・・・)なのに・・・。
朝、タクシーでオフィスに行くことになってしまうのだろうか・・・などと考えると・・・実はちょっと楽しいんですけどね(フフフ)。

今日は、少し仕事が片付いてきたので、プレ大掃除をしてみました。
ものすごい量のゴミを出したのに、見栄えが変わらないのがとても悲しいです(笑)。

ここ2年ほど、モノを捨てるということが快感になっています。
贅肉をそぎ落とすように、いらないものを捨てていくと、核心の部分に近付いていくような、コアの部分が見えてくるような、ちょっと軽く身動きもよくなるように思います。

来週末は、もう少し成果がわかる大掃除へと突入したいものです、ハイ。

1.2.09

煩悩リスト

またしても忙しさにかまけて、ブログを放置してました。
これでは月1も危ない! と思ったら、ぎりぎり1月中に間に合いましたか(って何に?)。

実は年末年始に日本に帰ってまして、こんなクソ忙しい時期に帰るなんて、ときっと周囲からは非難GOGO(苦笑)だったと思うのですが……すみません、楽しませていただきました。

しかし、ツケというのは、自分に返ってくるもので、ロンドンに戻ってきてからというもの、毎日が生死をかけたサバイバルでした(ちょっと大ゲサ)。
今も、本当はブログなどをのんきに書いている場合ではないのですが、1月中にひとつでもエントリを……という思いと、ちょうどいい逃避としてこんなことをさせていただいています。

ということで、2月中旬まではなんとしても、「いまここで死ねない」という状態が続くので、その先の明るい未来を目指して、いま「煩悩リスト」というのを目につくところ貼っています。

「煩悩リスト」は、仕事がひと段落ついたときに、自分へのごほうびとしてしたいことをリストにしたものです。

いまのところ、

●ヘナ
●ヘア・カット
●ピアノ・レッスン週1
●コンピュータ・セットアップ
●リフレクソロジー
●グールドDVD
●大掃除
●ねる、思いっきり。

と書いてあります。

ヘナというのは、自分でやっている白髪染めで、ピアノ・レッスンは今まで2週に1度だったのをごほうび期間として毎週にしよう、という目論見です。

グールドのDVDは、大好きなカナダ人ピアニスト、グレン・グールドのDVDボックスをクリスマスに買ったのに、まだ見終わっていないので、それを観るということで。

しかし、これを見ていると、自分の煩悩の「ちっちゃさ」に悲しくなってきます。もっとこう、人間ドックばりの集中エステ・コースとか、ミシュラン星付きレストランで食べまくるとか、モナコにヘリで行くとか、ラスベガスで豪遊するとか、ネバーランドを買収するとか、ウェッジウッドを救済するとか、もっとこう大きいことを書いてみたいもんです。

でもそのかたわらで、自分の煩悩が射程範囲内にあるというのは、実はシアワセなことなのかなー、とも思ったり。