24.10.08

「ぐるりのこと。」と「Haーフ ハーfu」

昨日は、「ロンドン・フィルム・フェスティバル」に出品中の日本映画のなかの1本、「ぐるりのこと。」を観てきました。

平日の午後3時半という半端な時間の上映という悪条件はあるにせよ、それにしても、シートの1割~2割くらいしか埋まっていないガラガラぶり。なんだか、とても残念だなあと思いました。

フェスティバル中に、もう1本観たいなと思っていた、「Silence Before Bach」というスペインの実験映画が、よりにもよって、この「ぐるりのこと。」と上映時間がかぶるという悲劇(?)に見舞われ、どちらのチケットを取るか悩んだものの、「Silence・・・」のほうはすっかりチケットが完売してしまっていたので、実は悩む必要もなかったのでした

さて、「ぐるりのこと。」、ご存知の方も多いと思いますが、木村多江とリリー・フランキー演じる一組の夫婦の、幼い娘を失ったことから始まる絶望から再生への10年間、というのがテーマ。2時間20分というとてつもなくながーい映画です。

面白い部分もあるし、なんといっても主役のふたりは、ばっちりハマっていて、とってもいいキャスティングだと思いました。リリー・フランキーの演技してないように見えるあの飄々とした存在が、役柄にハマっています。木村多江も、透明感のある美しさでしっかり女房ぶりを好演。

しかし。

いかんせん、長すぎる 子どもを失っておかしくなっていく夫婦の姿を描く部分が長すぎて、だんだんうんざり。途中で席を立つ人がいなかったのが不思議なくらいです。そして、肝心の再生へのきっかけが薄すぎて、その前にさんざん我慢して観てきたのに、「エー、そんなことで復活なんですか」というスカをくらったような、だまされたような気分になりました。そのあたり、もうちょっと説得力のあるエピソードを入れられなかったのか、元漫画編集者の私は、漫画家さんのネームを読むような気分で、考えてしまうのです。

さて、昨日はもうひとつ文化イベントに行きました。東ロンドン、ブリック・レーンの「Bodhi」というギャラリーで開催されている「Haーフ ハーfu」という写真エキシビションのプライベート・ビューです。ドイツ人と日本人のハーフの写真家、ナタリー・マヤ・ウィラーさんと日本人とイタリア系米国人のハーフのソーシャル・リサーチャー、マーシャ・ユミ・リゼさんのふたりがコラボして、日本人と外国人のハーフの若者9人のポートレートとインタビューを公開しています。

このエキシビションは、半分日本人のハーフの彼らが、自分のアイデンティティをどのように感じているか、ということがテーマになっています。一言でハーフといっても、「まるで日本人」という人から、「まるで非日本人」という見かけの人までさまざま。その見かけによっても幼少期からの体験は変わってくるようです。

また、日本で育ったハーフの子ども、海外で育った子どもによっても、ずいぶん体験は違うようで。彼らの「自分探し」を語るインタビューは、本当にとても興味深かったです。

30日まで開催しているようですので、ご興味のある方はぜひ立ち寄ってみてください。道路の向かい斜め右側のベーグル屋さんのベーグル(20ペンス)とミネストローネ・スープ(50ペンス)は絶品ですので、帰りにはぜひこちらもお立ち寄りを






1 件のコメント:

  1. > はいじさん

    ハーフの写真展、ほんと、興味深かったです。
    日本っていうのは、けっこう強い血なんでしょうかね。インタビューされた多くの人が、自分のなかの「日本」をとても強く感じているのが印象に残りました。

    ひとりの女性なんかは、「半分日本人、半分それ以外」という表現を使っているくらいです。

    彼らのアイデンティティは独特でしょうね。


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