...and Nice and Lovely Tiny Things.
ロンドンでの生活、取材裏話、日々思うこと、小さな発見などなど、KRess Europe(クレス・ヨーロッパ)の代表KYOが綴ります。目指すは「役には立たんが、ちょっとおもしろい」ブログです。
3.3.12
時計が戻ってきた。
去年の12月10日に、バッテリ交換のために、近所にできた時計屋さんに持っていった腕時計が、ほぼ3ヵ月ぶりに昨日ようやく戻ってきました。
ダイバーズウォッチなので、毎回メーカーに送られ、バッテリ交換の際に浸水テストもしなければならず、通常1ヵ月くらいはかかるのですが、今回はガスケットという部品の交換が必要だったようで、それを日本から取り寄せなければならなかったらしく、こんなに時間がかかってしまったようです。
ぜんぜん高級なものではないし、買ったときの値段よりも、むしろその後のメンテのほうにお金がかかっているくらいですが、まだ日本で働いていた94年から使っているもので、私にとっては愛着のある時計です。
当時、足を骨折して入院していた母が、仕事で忙しいなか、よく病院に通ってくれた、と、誕生日プレゼントに買ってくれたのがこの時計。ちょうどその頃、少女まんがの編集者をしていた私は、担当していた先生の原稿が毎日毎日上がらず、原稿ができたら、会社に詰めないといけなかったので、毎朝母を見舞うたびに「昨日も原稿ができなかったから、今朝もお見舞いに来れたけど、今日原稿が上がったら、明日はお見舞いに来られないから」って、「毎日」言い続けていました(いま思うと、あのとき、原稿描けなくて苦しんでいた漫画家さんに感謝、なのですが) 。
あれから18年、一時期時計を着けない時期もありましたが、圧倒的に長い時間を共有してきた旧友のような存在。携帯電話を時計代わりに使う人が増えて、腕時計を身に着ける人が少なくなったとは思いますが、ただ時を告げるだけの携帯電話とは違って、腕時計には腕時計のよさがやっぱりあると思うのです。
携帯電話を買い換えるときに「泣いた」という話は聞いたことがないけれど、車を買い換えるときに「泣いた」というのは、よく聞く話です。車の免許も持っていない私が言うのも説得力ゼロなんですが、腕時計は確実に後者に近いものなんじゃないかしら、と、勝手に思ったりします。
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