25.9.12

Happy Birthday Glenn Gould.

今年もやはりArt of Fugueを聴いてしまうこの時期

今日は、1982年に亡くなったカナダ人ピアニスト、グレン・グールドのお誕生日です。

今年は生誕80周年ということで、おそらくトロントではさまざまなイベントが行われているんじゃないかと想像しますが、私は東京からこそっとひとりでお祝い。



生きていたら今日で80歳だったグールド。いったいどんなおじいちゃんになっていたのだろう、とつい想像してしまいます。

彼の奏でる音楽に惹かれて、なんどもなんども繰り返し膨大な数のCDを聴かせてもらうことができるのは、グールドがコンサートの舞台と完全に決別して、レコーディング・スタジオにこもった、その恩恵のたまもの。いままで、どれだけの時間をうつくしいものにしてくれたことでしょう。

I believe that the only excuse we have for being musicians is to make it differently.

すごく印象に残るグールドの言葉。「ほかと違えることだけが、音楽家でいることの唯一の言い訳だと思う」、つまり、ほかと同じでは音楽家でいる意義がない、ということ。

これは、音楽家だけではなく、もの書きであれ、写真家であれ、編集者であれ、同じことだと思います。もっと言うなら、あなたという人がここにいる意義は、あなたがほかの誰とも同じでないこと、なんだと思うのです。

グールドの音楽は、それだけで美しいのですが、彼のこの言葉を思い出すとき、「違うことを恐れるな」という声が聞こえてくるような気がしてしまいます。

模倣じゃなく、横並びの連帯じゃなく、繰り返しじゃなく、ありきたりのカテゴライズじゃなく、でも違いを見極め、他者の違いも尊重できるように。あらゆることに当てはまる哲学だなぁと思うのです。

なんていうのは、半分はグールドを言い訳にした、私の持論かもしれませんが…。


さて、このあと数日のうちに、やってくるのが10月4日、彼の没後30周年。それを記念して、だと思いますが、長年DVD化されなかった「グレン・グールド・プレイズ・バッハ」が発売されるそうです。私自身も長年、親切な方がYoutubeにアップしてくれる断片を寄せ集めて鑑賞するしかなかったのですが、これを機会に全部観られるのがとてもとても楽しみです。ご興味のある方は、以下の断片のひとつを予告編として。




なにはともあれ。

グールドがこの世に残してくれた「うつくしいもの」に心から感謝をしつつ、今年もお誕生日をお祝いします。



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