さて、
前回に引き続き、ブリストル・バルーン・フェスタのお話です。
1日目の夜に「ナイト・グロー」という見事なイベントを見物して、ホテルに帰ったのがすでに夜の11時過ぎ。翌朝5時過ぎにはホテルロビーで集合して、会場に向かう、という段取りになっていました。
気球を飛ばすことができるのは、通常一日に2回のみ。一日のうちで一番風が安定する、日の出の頃と、夕方の時間帯だけなのだそうです。そんなわけで、起きなきゃ、という緊張感から、ピシーッと目覚ましが鳴る前に起床。朝の光がまぶしい会場へと向かったのです。
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会場では、すでに気球をふくらませる準備が進んでいました。 |
なんといっても、朝の時間帯に何十もの気球を飛ばすのですから、会場はある意味ラッシュ状態です。まずは気球を地面に広げて、ふくらませて立ち上がらせるわけですが、地面に気球を広げるには相当のスペースを要します。朝のフライトをする気球を一斉に広げられるスペースはないので、一つが立ち上がると、お隣のスペースの人が気球を地面に広げ…という要領です。
メディアセンターで割り当てられた気球をきょろきょろと探しながら、地面に広げられた気球や立ち上がった気球の間を縫って歩きます。歩いているうちに、こんな日本を応援するメッセージの入ったバスケットも見つけました。
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日本を応援するバスケットも。 |
この気球の持ち主である飛行士の方、日本に何度も気球の飛行のために赴いたことがあるとのこと。日本人としては、心打たれるメッセージに感謝しました。
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見上げると、朝焼けの空にカモメの群れ。 |
バスケットの横にある穴に足先を入れて、胸ほどの高さのあるバスケットを乗り越えて中に入ります。私がのせていただいた気球は、なかが4つに仕切られていて、それぞれのブロックに4人ずつ、合計16人乗りという大きなものでしたが、同じプレス・ツアーで来たジャーナリストのなかには、4人乗りの小さな気球に乗った、という人もたくさんいました。
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ひとつふたつと、周囲の気球も上がっていきます。 |
バスケットに乗り込むと、飛行士の方から着陸の時の注意点について説明がありました。着陸態勢に入る前にメガネも含め、身に着けている落ちる可能性のあるものはすべてカバンにしまい、かかと側の足下に置くこと。着陸態勢に入ったら、進行方向と逆向きに立って、バスケット側面内側についているロープのハンドルを両手でつかみ、膝を軽く曲げて、体重を進行方向に掛けること。これを1、2回、みんなで練習して、いよいよ出発です。
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とても静かに少しずつ高度を上げていきます。会場が、次第に小さく遠くなっていきます。 |
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まるで気球が、自分の故郷から飛び立っていくかのような。 |
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かなり高い位置まできました。 |
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どんどん地上が遠くなっていきます。 |
さらに高度を上げ、ちょうど出発点の会場が逆光側になると、輝く雲を背景に、あとから上がってくる気球のシルエットが浮かび上がり、涙が出るほど美しかったです。
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光があまりに神秘的でした。 |
ファインダー越しにのぞいた雲の陰影とか、太陽を背負ってゆっくりと上がっていく気球のシルエットが、なんだかとても神々しくて、目が離せませんでした。時間の感覚をすっかり失ってしまって、ほんの10分とか15分のことだと思ったのですが、どうやら30分ほど上空で時間を過ごしたようです。
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ひとつひとつ地面に到着していきます。 |
同じように30分ほどの飛行を終えた気球が、ひとつひとつ着陸していきます。私たちも、着陸態勢に入るように指示をされ、みんなで一斉にロープにつかまって、体重を進行方向側にかけました。我々のチームプレーのおかげか、飛行士の方の腕がよいせいか(たぶん、こちら)、スムーズに着陸し、無事に生まれて初めての気球飛行を終えました。
前日に、ドン・キャメロンさんとジョー・ベイリーさんというふたりの飛行士の方から、気球で空を飛ぶということが、どれだけすばらしいか、お話をうかがいましたが、彼らのお話がかすんで色あせてしまうくらい、実際の気球飛行は、本当に本当に特別な体験でした。降りるなり、また乗りたい、と心から思ったくらいです。
ブリストルのほかにも、イギリスにはリーズ城など、気球に乗れる場所がいくつもあります。機会があったら、ぜひぜひご自身で体験していただければと思います。
さて、最後になりましたが、このときに撮った写真を何点か
Flickrに載せたところ、そのうちの以下の一点が、思いがけずたくさんの方に見ていただけることになり、本当に感激しました。
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この写真をたくさんの方が見てくださって、本当にありがたかったです。 |
この写真を通じて、ほんの少しでも、気球で飛ぶことのすばらしさを見てくださる方とシェアできたなら、心から嬉しく思います。
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