世間は、例の「C」の話題で持ちきりで「ロンドンもなにやら大変そうだ」ということで、ご心配の声をいただいたりするので、「元気にしてますよー」というアピールも兼ねて、最近の生活についてアップします。
1週間ほど前からロンドンも怒濤のような変化がありました。
まずは、テレワークが推奨され、ミュージアムや劇場など人が集まる場所がクローズ、不要不急の外出を控えるようにアドバイスされ、その後レストラン、ジム、デパートも扉を閉め、外に出ても他人との距離を2メートル保つように言われ、今現在は食料品の調達と医療、どうしてもの通勤、一日一度のエクササイズ以外の外出は禁止……となりました。
というわけで、私の一日一度のエクササイズは、畑をぐるりと走ること……。 歩いて3分の距離ですが、畑が広いのでぐるりと回って帰るだけで約2キロのランです。 |
「すわ、外出禁止になるのでは!?」と、みんなが焦ってトイレットペーパーなどの日常消耗品と、とりあえずの食料を買い漁ったのでしょうか。多くの方がSNSで写真をアップしているので、ご覧になった方も多いと思いますが、ロンドンのスーパーの棚が空っぽになるという、衝撃の絵柄を私も目の当たりにしました。
先週のことですが、昨年収穫したカボチャのなかで、とうとう傷みだしたものがあって(でもまだまだ甘くて美味しいのですが)、パンプキン・ケーキを作るために、呑気にも卵を3個も使ってしまったので、卵を買い足そうと近所のスーパーに行くと、いつもある場所にない。そこらへんにいたスタッフの方に聞いたら、いつもある場所にないどころか「どこにもないのよ」とのことでビックリ。その後、近所の小さな商店も含め5軒ほどまわりましたが、本当にどこにもなし、で、己の呑気さを呪いながら、パンプキンケーキを食べました(笑)。
その後2〜3日のうちに、卵は棚に戻ってきて、ほっ。いま品薄なのは、小麦粉です。近所の天然酵母のパンが美味しいベーカリーも、とうとう3日前に予約した人のみ、ひとり1ローフ限定で購入可能、となってしまったので、自分でもパンを焼きたいのですが、みんな同じことを考えているのでしょうね。
ありがたいことに今朝のニュースによると、公共交通機関を使わない限り、畑に行くのは問題ないとのことで、まぁ、食料の調達でもありますし、いつもよりがんばって畑仕事をしています。
この季節のスターは、紫のブロッコリー。ほぼ毎日食卓に上がります。 |
畑に行くと、人間の世界でのドタバタをよそに、自然の世界はちゃんと春に向かって姿を変えようとしていて、ほっこりします。
ブロンズ色のフェネルも古い茎の足下に芽吹いていました。 |
ラズベリーも元気に顔を出してきたので、馬糞をどっさりと。 |
週末は、顔なじみの畑のご近所さんも何人か出てきて、畑仕事をしていたので、収穫物を交換したり。でも、昨夜の政府からの勧告を受けて、畑の管理人グループから連絡があり、畑のなかでも2メートルの距離を保ち、ほかの人の畑に遊びに行ったり、招き入れたりするのはNGとのこと。ひとりもくもくと畑仕事にいそしむしかなさそうです。まったくもって「C」ときたら、人と人との距離を離そうとするイヤなやつです。
食糧難(笑)につき、一旦コンポストにしようと捨てた野菜を拾い戻しました。 まんなかの小さい野菜はキプロス島の葉野菜だそうで、 ギリシャ人のご近所さんにいただいたもの。オムレツに入れると美味♡ |
この季節、うちの窓際も小さな苗でいっぱいになります。ここを卒業すると畑の温室に行き、畑の温室を卒業すると、外の棚に移され、最終的に土に入るのは、まだまだ1か月以上先なのです。
窓際のシシトウとトマトの小さな芽。 |
と、「C」がどんだけお騒がせでも、春の畑仕事には終わりがありません。
戦争中のプロパガンダ・ポスターですが……いまも通じるメッセージ。 |
お仕事もこのご時世につき延期が決まったものもあり、空いた時間を利用して勉強しています。ちょうど、昨年の秋から、日本の通信制の大学に編入したので……周期表ってこんなにおもしろかったっけ?と、「水兵リーベ、僕の船……」と、ただ意味も理解せず、うわごとのように記憶していた高校時代の自分のバカさ加減を恥じながら(笑)。
毎日、朝いちばんの1時間を勉強時間にあてていましたが、 もう少し時間を費やせるのはありがたいこと、でもあります。 |
……と、こんな感じで、私は元気に生活しております。
こうしている間にも、「C」のせいで苦しんでいる方や、その治療に従事している医療関係の方々がたくさんいることも忘れずに……。自分が元気でいることが、この国の保険システムを助けるに違いない、と体力と知力が衰えないよう、努力したいと思います。