31.3.11

Forgive Quickly

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Life is short, break the rules, forgive quickly, kiss slowly, love truly, laugh uncontrollably, and never regret anything that made you smile.


お友達がTwitterで書いていた言葉です。

なんとなく「もやっと感」が残る出来事があり、自分のなかでなかなか消化できないときに、とてもしっくりと心にしみてきました。

「人生は短い」という事実は、それだけで「なにかを許す」理由になるのだなぁ~と。要するに「うじうじ悩んでいる時間はないよ」ということなのですよね。

とてもすてきな言葉だったので、調べてみたところ、『トム・ソーヤーの冒険』を書いたマーク・トウェインの文章からの引用らしいとわかりました。

この言葉は以下のように続きます。

Twenty years from now you will be more disappointed by the things you didn't do than by the ones you did. So throw off the bowlines. Sail away from the safe harbor. Catch the trade winds in your sails. Explore. Dream. Discover.

1835年のハレー彗星の年にこの世に生を受け、その75年後のやはりハレー彗星の年にこの世を去ったマーク・トウェイン。

上記の文章は、実はいくつかの別の文章からのつなぎ合わせである、という説が濃厚らしいですが、それでもひとつひとつの言葉が、『トム・ソーヤーの冒険』に通じる自由な風の音のようです。

こんなすてきな言葉を残したマーク・トウェインの人生とは、いったいどんなものだったのだろう~と、がぜん興味がわいてきて、ついイキオイでAmazonのKindleストアで伝記を衝動買いしてしまいました。

全15033ページにも及ぶこの伝記を、全部しっかり読みきる自信はないですが、ちょこちょこ時間を見つけて、とばし読みでもいいから、読んでみたいと思います。

なんといっても、「Twenty years from now you will be more disappointed by the things you didn't do than by the ones you did」なのですから~…。

20.3.11

メディアのあり方、受け手のあり方。

ここ数日間、地震とそれに伴う津波や原発問題に関するニュースや、諸々の報道を見ていて、ずっとメディアのあり方を考えていました。

私自身は、職業のくくりとしては英語で言うとどうしても「ジャーナリスト」となることが多いわけですが、報道の世界に身を置いているわけでもないし、新聞のお仕事をいただいているわけでもありません。でも、やはり、不特定多数のに人たちに公的になにがしかの情報を発信する、という職業に就いている人間のひとりとして、少しだけ思っていることをまとめてみようと思います。

まずは、こちらの動画をご覧いただきたいと思います。



東北地方に30年間お住まいのダニエル・カールさんが、日本にいる海外メディアにあてたメッセージです。海外メディアはヒステリックにあることないことを報道することを即刻やめてくれ、という内容です。

この件に関しては、ラモス瑠偉さんも同じようなコメントをブログで書いています。

ラモス瑠偉オフィシャル・ブログ
もう一度冷静になれよ

私自身がBBCとNHKを見比べている限り、BBCはまだマシなほうかと思いますが、フランス、イタリア、中国、アメリカなどでも憶測と誇張の混ざった報道がなされ、日本の外国人コミュニティは、パニック状態になっているそうです。これはおそらく、海外メディアに頼らざるをえない、海外在住の日本人コミュニティも同じではないかと思います。

そしてこれは、海外メディアにかかわらず、日本の民放や雑誌にも当てはまることだと思っています。煽動的な切り口で、聴視者をいたずらに不安に陥らせる報道は、本当にやめてもらいたい。正しいことを伝えることと、人々を煽ることは違う。報道の第一線に立っている方々には、その責任を真剣に考えていただきたいです。

SNSやブログ、2ちゃんねるなどの普及によって、いまは誰もがメディアとなれる時代です。その正当性や正確性に関係なく、Youtubeにアップされていれば、動画は引っ張ってこれるし、真偽のほどは別として「自称元関係者」の主張だって、いくらだって読むことができる。

でもだからこそ、誰もが、どの情報を信じるかの責任を負わなければいけないこともまた事実で、受け手の側も情報の出どころを見極める目を持つことが必要になります。

私自身に関して言うと、感情的に人々を煽動する報道は、その段階で見るに値しないものと判断します。百歩譲って言っている情報が正しかったとしても、それはすでに社会にパニックを引き起こすだけの「役に立たない情報」になってしまうからです。

バイアスのかかってない情報をどこから求めるか、また、怪しいと思う目をどうやって養うかは、受け手個々の裁量ですけれども、あくまでご参考までに挙げると、私が今回の震災にあたって、使わせてもらったのはNHKとTwitterがメインです。Twitterの情報は玉石混淆ではありますが、各新聞社、放送局がほとんどアカウントをもって情報を発信していますので、各社を見比べることもできますし、相対的な判断の基準にもなるのではないかと私は思っています。

また、原子力発電のエキスパート、各大学の研究室、政府の各省庁のアカウントもありますので、各所の意見や見解を収集して自分で判断することの助けになるかと思います。

メディアのあり方を書こうと思ったのですが、やはりこの時代、メディアのあり方だけじゃダメなんですね。受け手のあり方が、もっと問われる時代になってしまったというのが結論なのかもしれません。



11.3.11

皆さま、大丈夫でしょうか

朝起きたらすごいことになっていて、驚きました。

これを読んでくださっているあなたのご家族は大丈夫でしたでしょうか。
仙台では、200人~300人の方が溺死されたという報道が、いまちょうどニュースで流れていて、本当に言葉もないです。さぞや怖い思いをされたことでしょう。

被害に遭われた方々には、本当に心よりお見舞い申し上げます。

ひとつだけ、心からこの惨事のなかで、ものすごくありがたかったことがあって、それだけ書いておきたいと思います。

私は、朝起きてすぐBBCのニュースで初めて知って、日本の家族に連絡しようとしたのですがもちろん電話はつながらず。

Twitterを使って、家族の無事がわかりほっとしました。本当にこういうときにインターネットってありがたいですね。

そんなときにTwitterで教えてもらったのが、テレビの前にカメラを置いてNHKの放送をミラーで流していた、個人の方のUSTREAMです。

NHKの公式放送は、こんな非常にあっても、国外にはブロックされていました(後に公開されましたが)。国外の私もやきもきしていますが、それ以上に日本国内の津波の危険のある場所にいながら、停電のためにテレビも観られず、怖い思いをしていた人はたくさんいたと思います。

しかもNHKの国内の公式ストリーミングも、大変不安定だったようで、みんなが情報に飢えていたようです。

この個人でUSTREAMにNHKの放送を流し続けてくれていたのは、広島県の中学2年生の男の子だそうです。ときどき、「xxxにお住まいの方は避難してください」といった報道の重要な部分を読み上げたりしている声が、幼いながらも真摯です。

ときどき曲がったりズームがうまくいかなかったり、いろいろありながらも、一時期は視聴者数が4万にもなり、NHKもこのミラーストリーミングを認めたそうです。

ストリーミングしているなかで、「NHKが認めてくれました。ありがとうございます」とか、「僕は中学生なので、このくらいのことしかできません。でも役に立てば」とか、「僕のお父さんとお母さんは阪神大震災の被災者です」とか、「明日は卒業式なので、夜遅くなったら、音を小さくしますが」とか「iphoneで撮っているので、電話が入ってきたら、とぎれるかもしれません」なんてコメントも。

海外にいる私が、リアルタイムで情報を受け取れたのは、この彼の貢献のおかげでした。そして、こういう中学生がいる日本は、なんてすばらしいところなんだろう、と思ったのです。日本の未来も、こういう若者がいるかぎり、決して暗くはない、と。


これから、被災地の皆さまが元通りの生活に戻るまで、本当に大変な日々が始まると思います。阪神大震災のときと同様、PTSDに悩まされる方もきっと出てくることでしょう。

みんながこれを乗り越えて、力強く生きていけますように。

いまの私には、祈ることしかできませんが、この広島県の中学生のように、私にもなにか役に立てるようなことがないか、これから探ってみたいと思います。