22.2.16

春を待ちわびて。

さてさて、冬の間は休眠状態の畑しごとですが、実はまったく休眠だったわけでもなく、道具小屋の修理、恒例の馬糞しごとと、地道な作業をしていました。

12月の道具小屋の修理は、畑の大家さんと私と夫の3人で、見よう見まねで「フェルティング」なるものに挑戦しました。小屋がすっかり古くなり、あらゆるところからすきま風ぴゅーぴゅー、雨漏りぽたぽた、という状態だったので、冬本番の前に「フェルト」(といっても、手芸のウールとは違うマテリアルです)という風や水を通さない特殊な素材で、ぐるんと小屋を包んであげるのです。

黒い樹脂のどろりとしたフェルト用の「のり」を、ペンキを塗るように刷毛でぺたぺたと壁一面に。その上から寸法通りに切ったフェルトをあてがい、釘で打ち込んでいきます。3人で半日がかりで、なかなか立派にすっぽりと道具小屋がフェルトに包まれて、心なしか暖かそうに見えるようになりました。

1月の下旬には、恒例になった馬糞しごとを。腰痛と闘いながら、これもなんとか完了です。

すっかりおなじみになったこの風景。でも、比べてみたら、ほら、新撮です(笑)。


さすがプロの手さばき。

そしてそして、今月は、昨年につづきポテト・フェアに行ってきました。今年は「アーリー・スプリング・プラント・フェア」という名前でしたが、しっかりたっぷりジャガイモの展示が。

ジャガイモだけではなく、野菜の種やお花の苗なども販売されています。

もちろん、ジャガイモの展示もあります。

去年はなにも考えず、畑の大家さんにすすめられるままに「デジレー」という種いもを購入しましたが、今年は収穫期が「メイン(Main)」で、食感が「フラワリー(Flourly)」なものを、10種類ひとつずつ購入してみました。10種類、違う味が楽しめると思うとわくわくです。これらは、セントパトリックス・デーの頃に、植え付けを行います。

ちなみに、ジャガイモの収穫期は主に3段階に分かれていて、

ファースト・アーリー(First Early):花が満開したら収穫(定植後、10〜12週)
セカンド・アーリー(Second Early):花が枯れ始めたら収穫(定植後14〜15週)
メイン・クロップ(Mains):地表に出ている部分がすっかり枯れたら収穫(定植後16〜20週)

というのが目安だそうです。

また、食感に関しては、主に茹でると崩れる(粉ふきいものように粉をふいてばらばらになる)フラワリー(Flourly)と、茹でても崩れないワクシー(Waxy)のいずれかだそうで、種いも売り場には、この収穫期と食感が表示された80種類以上のジャガイモがずらーーーっと並んでいました。

ぜーんぶ、違う種類のジャガイモです。

春まきの野菜の種も、ほぼ準備が整い、ぼちぼちと雑草を取りながら、畝をつくって、馬糞をまぜこむ作業を地道に続けつつ、ノートに作付け計画を書きつけています。

本当に春が待ち遠しい日々です。

こういうことをしている時間が至福のとき……。


12.2.16

英「ヴォーグ」誌の100年をたどる写真展「Vogue 100」

昨日からナショナル・ポートレート・ギャラリーで開催中の「Vogue 100: A Century of Style」のプレスビューに先日行ってきました。

フィルムあり、スライドあり、盛りだくさんな内容です。

このエキシビションは、英「ヴォーグ」誌に過去100年間に掲載された写真をたどる、というもので、時系列でその変化が分かるように展示されています。

10年ごとに部屋が分かれていて、時系列にたどれるように展示されています。

デイビッド・ベイリーの「トップ・コート」は、60年代の作品。

50年代の作品群。各部屋で展示の仕方も工夫されています。

セシル・ビートン、リー・ミラー、アーヴィング・ペン、スノードン卿から、デイビッド・ベイリー、コリン・デイ、パトリック・デマルシェリエ、ニック・ナイト、ハーブ・リッツ、マリオ・テスティーノ、ティム・ウォーカー、アルバート・ワトソンと、新旧交えてそうそうたる写真家の作品が展示されたエキシビションなのです。

ティム・ウォーカーによるアレキサンダー・マックイーンの大きな写真。
マックイーンといえばこの写真、というくらい有名な一点ですね。

しかも、前述したのは、ほんの一部で、なかにはマン・レイや、ウィリアム・クラインの作品まであり、私のように、特にファッションに関しては門外漢でも、写真に興味のある人には、たまらない写真展だと思います。

ウィリアム・クラインのポジもあり、目が釘づけに。

「ヴォーグ」という雑誌の底力を感じさせる、明らかな「ファッション写真」とは異なる、
魅力ある写真も多かったです。

もちろん、バックナンバーもずらーり。

5月22日まで開催されているそうですので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。混雑が予想されるので、前売り券を購入されることをおすすめします。

Vogue 100: A Century of Style
http://www.npg.org.uk/whatson/vogue/exhibition.php

National Portrait Gallery
St Martin's Place, London WC2H 0HE



9.2.16

チャリティ・ショップ



英国には、チャリティ団体が一般家庭から引き取った不要品を販売する、チャリティ・ショップがたくさんあります。

うちの近所の商店街にも、わずか800メートルくらいの間に、動物愛護団体やユダヤ人の福祉団体など、4、5軒が軒を連ねています。

ただうちから一番近い、という理由だけで、我が家で不要品が出るたびに、私がせっせと足を運んでいるのが、「ノース・ロンドン・ホスピス」というターミナルの患者さんのためのホスピスを運営している慈善団体のチャリティ・ショップ。

昨日、その「ノース・ロンドン・ホスピス」からはじめて、ニュースレターなるものが届きました。表紙は、テレビドラマの「シャーロック」や「オフィス」、映画「ホビット」などで活躍するマーティン・フリーマン。どうも、「ノース・ロンドン・ホスピス」のパトロンのひとりに加わり、ガラ・ディナーに参加した、ということのよう。英国の役者さんたちは、社会活動に関わっている人が本当に多いですよね。

ちょうど、昨日は以前に忘れな草プロジェクトでインタビューさせていただいた方のひとりが、このホスピスで亡くなったという訃報を受けました。お見舞いに行った方のお話によると、とても快適そうなきちんとしたホスピスだったそうです。

自分にとっては処分のために持ち込ませてもらっている不要品ですが、多くの人の手を介して、少しでもホスピス運営に役立たせてもらえるのは、ありがたいなーと思います。ちなみに「ノース・ロンドン・ホスピス」のチャリティ・ショップは、日本語の本も引き取ってくれるとのことでしたので、近隣の方でやり場に困っている日本語の本がある方は、持ち込まれてはいかがでしょうか。

North London Hospice
http://www.northlondonhospice.org/shops/