31.5.12

セルフリッジズの「The Big Rooftop Tea and Golf Party」

5月31日から9月2日まで、ロンドンのマンモスデパート、セルフリッジズの屋上で、以前にもご紹介した「Big British Bang」の一環として、カフェと9ホールゴルフが設置されるということで、プレビューに行ってきました。


カフェは、日本にもパン屋さんのあるオーガニック・ショップ「デイルズフォード・オーガニック」のもの。ロンドン市内にもショップがあり、人気のオーガニック・スポットです。このカフェで供されるものはすべて、デイルズフォード・ファームで生産されたものとのこと。


ユニフォームの帽子や、カトラリーの下に置かれたカードのデザインもかわいらしくて、デイルズフォードで扱っているものは、ただ健康的だったり自然派だったりというだけでなく、デザインセンスでも一歩前に出ている印象があります。



30.5.12

生まれ変わったレスター・スクエア

レスター・スクエアといえば、その三辺を囲む映画館でプレミア上映が行われるときには、周囲にレッドカーペットが敷かれ、多くの映画スターが訪れることで有名な、ロンドンのエンターテインメントの聖地です。

ここを訪れる人の数は、なんと一日24万人、年間で50本ものプレミア上映が催されるそうです。

長らく閉鎖されて、総額1530万ポンドを費やす大がかりな改修工事が行われていたこの広場が、先週の5月23日、華々しくリオープンしたとのお知らせをもらいました。

いただいたお知らせによると、リオープンにあたっては、ロンドン市長のボリス・ジョンソンが、その扉を開けたのだそうで…。


どのように変わったかというと、こちらが昔の姿。


そして、こちらが現在。


どうも芝生のエリアが減って、中央のシェイクスピアの彫刻のまわりに立派な噴水ができたもよう。

……ということで、自分の目で確かめるべく、今日、いそいそと見に行ってきました。


周辺の舗装も、ずいぶんキレイになって、スクエアの入口もぐっと大きくなっていました。

中央のシェイクスピアは、こんな感じ。


1ヵ月ちょっと前は、水不足でホースを使った水やり禁止令が発令されたり、公園の噴水が軒並み止められたりしていたのですが、ちょっと前の長雨のおかげで、噴水も景気よくじゃばじゃばと水しぶきを上げています。

そばで写真を撮っているだけで、足下が濡れてしまいそうな勢いなのですが、中に入り込んで、シェイクスピアと接見中の勇気ある男性も……。


これから夏にかけて、ちょっと涼むには最適な場所になりそうです。もちろん、この暑さが続いてくれたら、という希望的予想ではありますが…。

25.5.12

The Queen: Art and Image @ナショナル・ポートレート・ギャラリー

Queen Elizabeth II by Dorothy Wilding (Hand-coloured by Beatrice Johnson), 1952
© William Hustler and Georgina Hustler/ National Portrait Gallery, London

Queen Elizabeth II, Queen Regent by Pietro Annigoni, 1954-5
© The Fishmongers’ Company

現在、ナショナル・ポートレート・ギャラリーで開催中の「The Queen: Art and Image」を見てきました。このエキシビションは、ポートレート・ギャラリーの入って手前側のエキシビション会場で行われています。以前にご紹介したハリウッドのポートレート展と同じ場所で、それほど広くないながらも、いつも興味深いキュレーションのエキシビションを開催しています。

さて、今回のエキシビションは、60年前のエリザベス女王の即位から今日までの、写真、絵画などのアート作品を通して、女王の社会的なイメージの変遷を時系列に追う、という企画です。

新しい女王にわき上がった50年代、プライベートの生活をテレビのドキュメンタリー番組にするなど、身近な王室をアピールしようとした60年代、反体制の潮流のなかで、セックス・ピストルズの挑発的なレコードジャケットをはじめ、非難や誹謗の対象ともなった70年代、フォークランド紛争、テロ事件、女王の寝室に侵入者が入り込む事件などがあった反面で、チャールズ皇太子とダイアナ元妃の結婚など、明暗の間をさまよった80年代、ダイアナ元妃の離婚と彼女の死、ここで声明を長らく出さなかったために、王室が非難の対象となった90年代、ゴールデンジュビリーで、イメージを挽回しようとした2000年代…。

その変遷は、女王の表情に表れていたり、はたまた大衆が王室をどのようなイメージでとらえていたかが、アート作品からくっきりとうかがえたり…と、大変興味深いエキシビションでした。

私自身が特に惹きつけられたのは、多くの写真作品です。ファッション写真やハリウッドスターをとらえた写真で有名なセシル・ビートンが撮った戴冠式のあとのポートレートなど、公式の場でのものも、もちろんとても美しいのですが、女王の義理の弟にあたるスノードン卿の撮ったファミリー・ポートレート、いとこのパトリック・リッチフィールド卿の撮った女王の自然な表情などが、またすばらしいのです。

その頃の時代背景を考えながら見ていくと、このときエリザベス女王はどういう気持ちでいたのかなぁと、思わず、庶民のくせに女王の気持ちを想像してみたり。

そもそも、エドワード8世が退位するまでは、王の弟の娘であった彼女は、次の次は自分が女王、というリアルな自覚はなかったんじゃなかろうか、と思うのです。それが、叔父の色恋沙汰のために、内気な父がむりやり王様になり、次は自分、となってしまった。

そんな背景を考えながら、父である王の訃報を聞きつけて、ケニアから戻ってきた若き王女の写真を見ると、父の死を悼む25歳の女性、というだけでは収まらないストーリーが見えてくるような気がします。

デリーで50万人の聴衆を前にした、当時35歳の女王の後ろ姿をとらえたモノクロ写真、ヨットのデッキでサングラスをかけ大口を明けて笑っている44歳の女王の写真など、心に残る作品がたくさんありました。

Equanimity  by Chris Levine (artist) and Rob Munday (holographer). Commissioned by the People of Jersey 2004. 
Lenticular print on lightbox.

The Queen and Prince Philip, The Duke of Edinburgh by Thomas Struth, 2011
National Portrait Gallery © Thomas Struth
人の顔には、その人の過ごしてきた時間や人生が表れるなぁと思うことが多いですが、このエキシビションでも、それを考えさせられました。

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The Queen: Art and Image(10月21日まで)
チケット £6.00

@ National Portrait Gallery
St Martin's Place, London WC2H 0HE
☎ 020 7306 0055


24.5.12

午後の紅茶、ジョン・ルイス(John Lewis)スタイル

英国を代表するデパートのひとつ「ジョン・ルイス」のプレス担当の方から、おいしそうなお知らせをいただいたので、ご紹介します。

6月4日から8月31日までの期間限定で、ロンドンのオックスフォード・ストリート店、ストラットフォード・シティ店、ピーター・ジョーンズのブラッセリーにおいて、「5 O'Clock Tea Club」と銘打って、プチガトー、ミニスコーン、サンドイッチの紅茶付きセット(2人用)を£20.12で供するとのこと。

小さめのアフタヌーンティーという感じですが、これだったら、お腹もいっぱいになりすぎず、またお財布にもやさしい、ちょっとした自分へのご褒美になりそうです。

また、ジョン・ルイスでは、「Classic British Tea Party」の必需品と、エリザベス女王即位60周年とオリンピックを祝うというテーマをからめ、ジュビリー/オリンピック・デザインのティーポットを揃えて、5月14日から販売を開始。以下はほんの一例ですが、ほかにもさまざまな記念ティーポットがあるそうなので、お茶好きの方にとっては、のぞいてみるだけでも楽しいかもしれません。

Dunoon Diamond Jubilee, £63, at John Lewis

Royal Stafford Diamond Jubilee Teapot, 2L £36.00 at John Lewis

London 2012 Olympic Games Tourist Icons Tea Cosy, £9.50 at John Lewis

ここで、ちょっとだけ、紅茶の専門家の方に聞いた、おいしい紅茶をいれるためのティーポットの選び方をご紹介します。

まず茶葉がポットのなかで、十分に動き回れるように、丸いかたちのものが一番とのこと。素材は、シルバーのものは、実はにおいが残りやすいそうなので、同じ茶葉をずっと使うぶんにはいいのかもしれませんが、あれこれフレーバーを試したい方には不向きなのだそうです。ひとつだけ持つなら、陶器、またはガラス製の丸いもの、がおすすめということになります。

おそらく、イングリッシュ・ブレックファストをベースにしているのだろうと想像しますが、 今年は、ジュビリーティーなるブレンドも各社こぞって出しているようです。私もひとつくらいは試してみようと思っています。

14.5.12

Collect 2012 @サーチ・ギャラリー

知り合いの方からチケットをいただいたので、サーチ・ギャラリーで開催されていた「Collect」アート・フェアに行ってきました。



Collectは、名前の通り「集めたくなるような」クラフト作品を展示する、英国クラフツ・カウンシル主催のアート・フェアで、今年で4回目だそうです。コンテンポラリー・アートを扱うギャラリーが世界中から参加しています。

最終日の今日も、最後まで、たくさんの人で賑わっていました。



クラフト作品、というだけあって、アクセサリーなどもたくさん。こんなすてきな指輪のディスプレーもありました。


こちらは、アムステルダムにある「Galerie RA」というギャラリーの展示です。

以前にこちらのブログでもご紹介したことのある、CAAギャラリーも参加していました。


CAAギャラリーは、好みのものが多くて、やはり見入ってしまいます。

このふたりの男性…むちゃ好みです。左側の男性、ピンクッションのようにピンがいっぱい刺さっているのが痛そうですけれども……。



日本のギャラリーもいくつか参加していました。こちらは、南青山の酉福(YUFUKU)ギャラリーのスペースです。


今年のCollectアートフェアに参加したギャラリーの数は31、450ものアーティストの作品が展示されていたそうですが、そのなかで、私の心をガッシと掴んだのがこちらです。
(ちょっとボケてて、申し訳ないのですが…)


なにやら、とてもシュール。しかもうしろのアナタ、連れてるペットがちょっとコワイんですけど…。


ひゃー、と驚きながら振り返ると、こんな人も。


これは…和彫りでしょうか。遠山の金さんも真っ青なみごとな刺青です。

おそるおそる、ちょっと近づいて。


体と腕の模様に対して、手の甲のガイコツがなにやら「ほのぼの」してますが…。

こちらの方々とは、オランダのDelftから参加していた「Galerie Terra」のスペースで巡り会いました。 イタリア人アーティストAlessandro Galloさんの作品だそうです(Galloさんのサイトもとってもおもしろいので、ぜひクリックしてのぞいてみてください)。

こうやって、写真で見ると、大きさの感覚を失って、ますますシュールに見えますが、サイズとしては身長50センチくらいでしょうか。

最終日の今日は4時クローズでしたので、ちょっと駆け足ではありましたが、とっても楽しい時間を過ごさせてもらいました。快く写真を撮らせてくださった、ギャラリーの皆さまにも感謝です。

さて、このサーチ・ギャラリーですが階段とか、ギャラリーの入口の作り方とか、それ自体がとてもアーティスティックでおもしろいと思います。


なんかこう、採光の妙味か、絵を見ているような気分になりますよね。


こんな感じとか。

今年のCollectは今日が最終日でしたが、サーチ・ギャラリーは、一年中無料でなにかしらのエキシビションを公開しています。

そして今日見つけたのですが、サーチ・ギャラリーのあるDuke of York's Squareは、無料Wifiも使えるもよう。








ロンドンにお越しの際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

Saatchi Gallery
Duke Of York's HQ, King's Road, London SW3 4RY

http://www.saatchi-gallery.co.uk/


10.5.12

George♡


George McMullen 20 Oct 1920 - 09 May 2012 (c) Rie Asakura


KRess Europeというのは、2006年1月に私(Kazuyo)と写真家のRieさんとで作った会社です。だから、KRが大文字の「KRess」。Rieさんはいまは、帰国されて日本で生活されていますが、RieさんがいなかったらKRess Europeはなかったし、またRieさんと私の周りからのあたたかい支援がなかったら、これまた、KRess Europeはなかっただろうな、と心から思います。

長年にわたってRieさんの大家さんだったGeorgeは、そんなKRess最初期の支援者のひとりでした。RieさんとGeorgeの関係は、大家と間借り人というボーダーを超えて、「ソウルメイト」みたいな存在だったんじゃないかな、と思います。

ただキュートな老人というだけじゃなくて、その強烈な個性と彼の激動の人生を、ずっとRieさんから話に聞いていた私は、初めてお会いしたときには、憧れの有名人に会ったような気持ちになったものです。以来、Rieさんのチジックのお家を訪ねるたびに、ツイードのジャケットを着て、冷蔵庫の脇の椅子に腰を下ろして、にこやかに「フォフォフォフォ」と私たちの会話に参加していたGeorge。そんな姿を昨日のことのように思い出します。

一番印象に残っているのは、英国人だったら誰もが名前を知っている、某建設会社の会長さんの持つ私設鉄道博物館に取材に行ったときのこと。

その私設博物館は、Sirの称号を持つ、その会長さんのご自宅の敷地内にありました。電車で行くには非常に便の悪いところで(なんといっても、その敷地内だけでも、線路を敷けるくらい広い、ということからも公共交通機関で行くのは無理でした)、鉄道好きのじいさん(Rieさんと周りのみんなは、Georgeのことを愛をこめてこう呼んでいた)に、取材のドライバーをお願いしたことがあったのです。

当時85歳だったじいさんは、バリバリ往復3時間のドライビングをこなし、我々の取材にばっちりつきあってくれました。先方のSirからしてみたら、日本の雑誌の取材で来たライターとカメラマンが、なぜか英国人の老人を伴って来たので、びっくりしたかもしれませんが…。ふだんめったに外食をしないと聞いていたじいさんと、この日取材の帰りに、パブで一緒に食事をできたのは、とてもいい思い出です。

Rieさんの撮りためたじいさんの写真は、被写体への愛と、Rieさんの目を通したじいさんのオモシロイ一面が、その画面の天地左右いっぱいいっぱいに溢れていて、大好きな作品ばかりです。Rieさんが、麻布でじいさんの写真を集めたエキシビションをしたときには、私自身は帰国がかなわず行けなかったのですが、私の母や弟夫婦までお邪魔して、ファミリーでじいさんの魅力にとりつかれてしまいました。

いつか追加撮影もして、私がじいさんにインタビューをして、本にしたいね、ってずっと話していて、つい先日も、今年できたらいいね、なんて夢語りをしていたばかりだったのですが…。

91歳。大往生だとわかっていても、きっと幸せな一生だったに違いない、とわかっていても、やはり人が今生という舞台から去っていくときは、寂しく、心細い気持ちになるものですね。この世界の鍵を、あのチジックのキッチンのテーブルの上に静かに置いて、ドアから出ていくじいさんの背中を見たような、そんな感じです。

じいさん、安らかに…。どうもありがとう。

Thank you George. You know, we all love you forever. RIP





4.5.12

Great British Fashion Flag Showcase


昨日の朝、オックスフォード・ストリートを通りかかったら、大量のユニオンジャックと、「Design is Great」という旗が掛けられていました。

なんだろう、と思っていたら、36日後に迫ったエリザベス女王のダイヤモンド・ジュビリー(即位60周年)に先駆け、オックスフォード・ストリートのファッションの歴史147年にちなんで、147のユニオンジャックが掲げられたということだそうです。


今後、ボンド・ストリート、リージェント・ストリート、ピカデリーをはじめ、ウェストエンド一帯に合計で500(オックスフォード・ストリートも含む)のユニオンジャックが掛けられるとのこと。

6週間限定とのことなので、オリンピック前にははずされてしまう計算ですが、逆に言うと、オリンピック前には、オリンピック絡みの別のなにかで飾る予定があるために、その前にはずされるのかな、という気もしています。

今年のロンドンは、いろんな表情を見せてくれそうで楽しみです。