26.2.17

ひとりだち

柚子の木とラベンダーとオレガノを連れていきます。


先週の日曜日の朝、いよいよ待ちに待った、というか待ちすぎてすっかり忘れていた連絡がきました。
「いくつか畑に空きができたので、『今日』ビューイングに来ますか」
うちから歩いて5分のところにある菜園からでした。

何年も前にウェイティングリストに名前を入れてもらい、いつ順番が回ってくるかわからないので(ウェイティングリストには100人ほどが名前を連ねているそうです)、その間、うちからバスと徒歩で30分ほどのところにある知人の畑をシェアさせてもらっていましたが、待てば海路の日和あり、と言いますか。ちょうど出張からロンドンに戻る日だったので、うちにスーツケースを置いてその足で畑へ。いくつか見せていただいたなかから、ひとつのプロットを決めて即1年分の賃料をお支払いしました。

これまで、過去4年間お世話になった畑の大家さんには、一から十までいろはを教えていただき、また、道具から物置小屋まで使わせてもらっていたのですが、いよいよひとりだちの時がやってきたようです。

いままで使わせていただいていた私のエリアは、しばらく使われないとのことで、雑草よけの黒いビニールシートを敷き詰めて重しを。となり近所の畑の人たちとも仲よくなったし、ここから見る四季折々の美しい風景にもすっかりなじんでいたので、ちょっとセンチメンタルな気持ちになりながらの店じまいです。

大きな道具はほとんどないものの、4年間ひとところで畑しごとをしていると、それなりにモノが増えました。
日本風の鍬、雑草取りのための鎌(こちらで買った日本製)、タンポポの根っ子抜き、新芽を守るカバー類、長靴などなど。そして柚子の木と種から育ててやっと花を咲かせるようになったラベンダーとオレガノも。畑に似つかわしくない巨大スーツケースに入れて移動です。夫とふたり2往復して、引っ越しは完了しました。

新しい畑の面積は、幅5メートル、奥行き25メートル。そこに、コニファーの木とプラムとおぼしき木が1本、なにかわからない木が数本、ぼろぼろの道具小屋がひとつと、もうひとつややボロボロの道具小屋、そしてガラスがところどころ抜けている温室があります。そして誰か住んでいたのか、と思うような鍋やらフライパンやらやかんやらの生活用品や、ビールの空き缶などのゴミが散乱していて、まずは少しずつ片付けと温室の修繕をしなければ、です。

畑そのものは、ついこの間まで使っていたようで、雑草も少なく、シートでカバーしてくれていたので、それほど手間をかけずに使い始めることができそうです。まずはどこかで馬糞を調達するところから始めたいと思います。

そんなわけで、春が来る前にしなければいけないTo Doリストは枚挙にいとまがないのですが、初めての自分だけの畑の始まりに、こうしようかな、ああしようかな、とわくわくが止まらない今日この頃なのです。






13.2.17

できあがりました(2017年その1)

昨年の9月からちくちく編んでいたセーターができあがりました。

失敗したなーと思う点や、反省点は盛りだくさんですが、なんとかできあがりました。

スウェーデンのBohus Stickningのセーターです。
Buhus Stickningは、大恐慌後のスウェーデンで、家計を助けようと集まった女性ニッターグループで、たくさんの美しいデザインが残されています。

アンゴラ混の糸がやわらかくて、あたたかくて、編んでいる間、ずっとほっこりとした気持ちになれました。

ゆっくりとした歩みでしたが、多色使いのヨークの部分を編むのはとても楽しい作業でした。

私のペースだと大きなものは年にふたつ編めればいいほうなので、これからも半年間ずっと愛を感じ続けられる糸とデザインを選ばないと……と思います。

いまは、シェットランドのショールに初挑戦中ですが、これも半年仕事になりそうです。

ちょっとピンぼけ……。こちらも亀の歩みですが手のなかからレース模様が出てくるのは楽しいです。

こちらは染めていない糸なので、またまた羊のにおいに包まれながらの数ヵ月間です。


おまけです↓
見慣れないチキータバナナのシールを見つけました。
コスタリカとスノーマンという、ミスマッチな感じの組み合わせに心ひかれます。



5.2.17

ケンウッド・デイリー

ハムステッド・ヒースのケンウッド・デイリーにて。

週末散歩でハムステッド・ヒースに歩いて行ったら、たまたまケンウッド・デイリーの月に一度のオープン・デーでした。

デイリーというのは、牛の乳搾りをしたり、チーズやバターなどの乳製品を製造したりする小屋のことですが、おそらく乳搾り小屋は別にあって、乳製品の製造とお茶会などにだけ使われていた場所という印象でした。

どうやら、19世紀の英国貴族の間でデイリーを持つのが流行ったのは、バターやチーズなどを自分たちでつくっていたフランスのマリー・アントワネットの影響だそうです。

相変わらず麹づくりをしたり、味噌を仕込んだり。春節のお料理をいただいたり。
畑の柚子の木は、無事に成長を続けていました。雪割草も顔を出して、春ももうすぐそこでしょうか。


さて、先週末の春節のお祝いで、香港出身の友人が大根餅のアレンジ版の春節料理を持ってきてくれました。フライパンで焼いて食べてね、と言われて外側の笹の葉を取ってから焼くべきか、焼いてから取るべきか、はて?と迷ったすえに、焼いてから取ることに。
とってもおいしくいただきました。が、正解は取ってから焼く、だったようです。

先週はじめた米麹づくりはなかなか奥が深く、いまのところ2勝1敗といったところです。米麹づくりと味噌づくりがやめられない今日この頃、放っておいたら床が抜けるまで味噌をつくり続けそうな自分がちょっとコワイ…。