29.6.12

世界一になった日本人パスタ・シェフのいるレストラン



この世の中には、「こんなレストランに行きました」という、すてきな情報と写真をたくさん載せているブログが数え切れないほどあるので、さしてグルメでもない私なんぞの書いている拙ブログでは、あえてそういう内容は通常掲載しないのですが、今日はちょっとすてきなエピソード付きなので、特別に…。

お友だちに誘われて、メイフェアのイタリアン・レストラン「Tempo」に行ってきました。
こちらのヘッドシェフのヤマダ ヨシ(山田剛嗣)さん、なんと今月16日にイタリアのパルマで行われた、アカデミア・バリラ主催の第1回「パスタ・ワールド・チャンピオン」で、見事チャンピオンに輝いたナンバーワン・シェフなのです。


ヘッドシェフのヨシさん。


たまたま誘ってくれたお友だちがヨシさんの知り合いだったので、ラッキーにもテーブルでお話をうかがう機会に恵まれました。

この大会、4日間にわたって行われたイタリア料理をプロモートするイベント「Italian Cuisine in the World Forum」の一環で、3日目と4日目の2日間にかけて開催されたコンペです。世界各地からエントリーしたシェフは26人。ヨシさん以外は全員イタリア人だったそうです。パスタ会社のバリラがスポンサーだけに、使用するパスタはバリラのドライパスタと決まっていて、パスタそのものを作るというよりも、「パスタ料理」で競い合うコンペティションです。

まず、3日目に26人から4人に選抜され、そして4日目にその4人のなかからチャンピオンが選ばれたそうなのですが、その審査内容には所定の時間内での料理はもちろんのこと、面接も含まれていたのだそうで、かなりシリアス。しかも面接はすべてイタリア語…。とはいえ、ヨシさんは、フィレンツェ、サルデニア、ソレントの3つの都市で合計4年間、イタリアでもキャリアを積まれ、その後ロンドンにいらしたとのことで、また現在も厨房ではすべてイタリア語で話されているそう。

さて、そんなヨシさんの作られるお料理、私なんぞがとやかく言う幕はありません。今回飛び入りで参加した、日本から遊びに来ている友人が「このリゾットを食べるために、日本に帰る前に何回でも通いたいっ!!」と感嘆の声を漏らしたことだけ、お伝えしたいと思います。本当に幸せな食時間でした。

実物のほうがずっと美しいお料理。

 ロンドンにお住まいの方には、ぜひご自身の舌でヨシさんのお料理を体験していただきたいのですが、残念ながら、7月18日をもって、アイルランド経由で日本に本帰国されるとのこと。とにかくご予約はお早めに! 

そして、日本でまたお仕事を始められた際には、ぜひぜひお知らせくださいっ、とお願いしているので、ご連絡が入りましたらこちらのブログでもご報告いたしますね。


最後に貴重なトロフィーをもう一度。


Tempo
http://www.tempomayfair.co.uk

27.6.12

フェティエの海で遊ぶ。


ホテルの窓から見た夜明け。空と海のグラデーションがキレイでした。

さて、トルコの「海辺の町」フェティエに行きました。と言い続けたわりには、海に関する内容が、いままでひとつもなかったので、長々おつきあいいただいた今回のトルコ・シリーズ最終回は、海について。

またちょこちょこ思い出したことがあったら、小ネタはアップしたいと思っていますが、とりあえず、大きなネタとしては、今回が最終回です。

私たちが滞在したホテルは、波止場の近く(ホテル自体も、小さな波止場付きでした)なのですが、ビーチというのは、歩いて行ける範囲になく、最初の2〜3日は、もっぱらプールサイドで、だらだら。でも一念奮起して、ホテルの方に教えていただいたおすすめビーチ、クレリ(Kuleli)に行ってみることにしました。

下に水着を仕込んで、着替えをもって、いざ出発。ドルモシュと呼ばれるミニバスに乗って行きます。

左側のオレンジの小さなバスがドルモシュです。

ピーマンの肉詰め、またはブドウの葉でライスを包んだ、「ドルマ」というトルコ料理をご存知でしょうか。トルコ語でドルマは、「Stuffed(つめこんだもの)」という意味。さて、このミニバスのドルモシュ、やっぱり「詰め込む」というところから、「ドルモシュ」ということみたいです。幸いフェティエでは、詰め込まれたことはありませんが、イスタンブールでは、何度か詰め込まれた経験があります。

さて、こんなのどかな見かけの小さなミニバスですが、ドルモシュの運転手さんの多くが(というか、いままでの経験では100%の確率で)、「ものすごく」運転が荒いです。

ということで、この日も例外ではありませんでした。

海沿いの美しい道を行くので、カメラを片手に構えていたのですが(片手はどこかにつかまらないと、大変なことになるので)、ぐわー、ぎょえーっ、ふぉーっ、という悲鳴の連続(私だけ)。写真を撮るには撮ったので、傾きをあえて直さず、臨場感ある風景をお届けします(光の感じが違うのは、往きと帰りの写真が混在しているからです)。

まがってる。

おちるーっ。

キレイなんだけど、うまく撮れません!!

と、美しい光景に目を奪われつつも、なんだかぐったりと、たどり着いたクレリ。こんなところです。

松林の向こう側が海。

ビーチを利用するには入場料がいりますが、わずか数百円です。

キャンプ場にもなっているようです。

キャンプ場があるせいか、木々の間に「1本の木から100万本のマッチが作れますが、1本のマッチは100万本の木を焼き尽くします」という、気の利いた「火の用心」標語がありました。

そして、どんどん歩いて行くと海。
日射しが強すぎて、iPhoneの画面がまったく見えません。

このビーチ、見事に外国人がいなくて、トルコ人の家族連れがほとんど。下の写真のような、屋根のついたお座敷風休憩場所を借りるのも、ビーチでチェアをふたつ借りるのもほぼ同じ金額だったので(1000円弱)、屋根のついたお座敷にしました。

靴を脱いで上がるのも、日本人的にはうれしいです。

ここで、のんびりと本を読んだり、ときにはシュノーケルをつけて海に入って、お魚を見ながらぷかぷかと泳いだり、また戻ってきて、Kindle(私の持っている何世代か古いKindleは、ここでも無料で3Gでネット通信できました)で遊んだり、だらだらと平和な一日を過ごしました。

そして! 次の日はさらにアクティブに、ボートトリップに行ってきました。フェティエの港から、小さめのボートを選んでゴー!

ボートの下の階はこんな感じです。

上の写真中央奥にあるのが、バーカウンターで、ここで飲み物などを買うことができます。ランチは、乗船料(2000円弱)に含まれていましたが、飲み物は別料金です。

上の階はこんな感じ。

このボートで1日かけて、泳ぐのに適した湾を4つほどめぐります。

お茶を飲みながらのんびり。

こんな感じの水のきれいな水泳スポットへ。

底は岩だらけなので、海用の靴は必須!
シュノーケルで泳いでいると、イカとか、ウニも見えました。

それぞれの自由時間は40分ほど。これって、ちょっと泳ぐには十分な時間です。再びボートに戻って、お茶を飲みながらだらり。

だらりとしているのはこちらばかりで、スタッフの方はシャキシャキ働いています。

操縦席はこんなようす。

置いてあるグッズが、船だなーって感じです(当たり前なんですけど)。

船の舳先のほうにぼーっと座っていたら、小さな島の灯台が見えました。

すごくシンプルで小さいですが、ちゃんと着替える場所もありました。もう海に入らなくてもいいや、と思ったら、乾いた洋服に着替えて、まただらだら。


むりやり干す。

こんな感じで、泳いだり、本を読んだり(船の上でもKindleの3Gは使えました)、お茶を飲んだり、ひたすらだらだらと、よい1日を過ごすことができました。

トルコの地中海沿いのリゾートは、7月8月は灼熱の日々。私のように暑すぎるのが苦手な方は、6月の中旬までか、9月の中旬以降に訪れるのをおすすめします。

長々とおつきあいいただきまして、ありがとうございました。



21.6.12

トルコのパンとシュミット

もっとも一般的なトルコのパンはこんな感じです。

引き続きトルコ編です。あともう一回くらいでまとまると思いますので、あとちょっとだけおつきあいください。

さて、トルコのパンというと、ロンドンのトルコ料理のお店などで出される、うすーいピタパンとか、ちょっと平べったいギリシャ系のパンを想像される方が多いかもしれませんが、トルコで一番一般的に食べられているのは、外側カリッと中ふんわりな、こんなパンです。

こんなガラスケースに入れて売っているところも多いです。

このパンが実においしいのですが、トルコ以外の国で見たことがありません。なんでなのでしょうか。ロンドンでも食べられたらいいのになーと思うのですが…。 ピタパンやフラットパンもおいしいとは思うのですが、やはりトルコ料理には、このパンが合うと思うんですけども…。

トルコで有名なもうひとつのパンといえば、シュミットです。

これはゴマなしですが、ゴマがかかっているものが多いです。

こんな感じのねじられた輪っか型のパンで、トルコ人はおやつに食べることも多いようです。町を歩いていると、このシュミットを売り歩く人をよく見かけます。

こんな感じで、頭に載せてます。お金を受け取っているところ。

このシュミット売りさん、写真を撮らせてくださいとお願いしたら、さっきまで手で支えていたのに、サービスで手を離してくれたのはいいのですが、かなり重いらしく、「早く早く」とせき立てられ、こちらの準備が追いつかず、あわあわと撮ったら足が切れちゃいました。ゴメンなさい。

お釣りを返すときは、さすがに手で支えてました。

このほかに、こんな車輪のついたシュミット売りの車もあります。

なんだか、自分の意思を持った生き物のようでかわいいです。

お味は、というと、固くない乾パンのような? ちょっと塩気が強くて、ゴマのかかっているものは、ゴマの味のするという(当たり前ですが)。これといって、可もなく不可もなくというふうに私は思うのですが、トルコの人たちは、このシュミット、大好きなようです。

パン屋さんでは、チャイをいただきながら、その場でシュミットを食べられるところも多いので、トルコを訪れた際には、土地の味として一度試してみることをおすすめします。

パン屋のおじさんが青い籠にシュミットを入れて、自転車で配達に出かけたところです。

19.6.12

フェティエのマーケット(その2) トルコでお魚。

再び、トルコのお話を。

先日は、フェティエで開催される週一の火曜日マーケットについて書きましたが、今回は、街中にある常設マーケットについてです。

こんな感じの入口です。

フェティエの街中にある毎日オープンのマーケットは、フルーツ&野菜と魚がメイン。

色とりどりのフルーツが。
門をくぐると、まずはフルーツ&野菜市場。カラフルな果物と野菜が、並んでいます。

滞在中何度も通ったので、ブルーのシャツのおじさんと顔見知りになりました。

天井からもニンニクやら、タマネギやらハーブやらがぶら下がっています。

ハーブも一緒にぶら下がってます。

フルーツと野菜がメインではありますが、スパイスのお店などもあります。

おみやげものも、いろいろと。

さて、いよいよ、本日の目玉、フィッシュ・マーケットに突入です!

ここから先がめくるめく世界。

この穴をくぐると、まず飛び込んでくるのは緑の光。

まぶしすぎて見えません。

一瞬よく見えなかったのですが、こちらのまん中。上の写真の右の奥がフィッシュ・マーケットです。

お目当てのお魚マーケット!

たくさんの業者さんが軒を連ねています。

鮭、スズキ、イカ、エビ、あと判別不能な(スミマセン)たくさんのお魚がありました。

ずらーっと並んでいます。

ほとんどのお魚が私には判別不能でした。

ロンドンまで、持って帰れるわけでもないのに、魚なんか眺めて、なにが楽しいのか、という疑問はごもっとも。しかし、それがここのマーケットのユニークなところで、なんと、自分で選んだお魚をレストランで調理してくれるシステムなのです。

このエビには後から、かすかな疑惑が持ち上がりますが、それはまた別のお話。


スズキ(夫用)、鮭の切り身(私用)、そしてエビ(前菜シェア用)を選びました。これで、35トルコリラ(1500円くらい)。

手の出演(だんなさん)。

マーケットを取り囲むように、6つほどのレストランがあるので、好きなところを選んで、お魚を持って行きます。私たちは、魚屋さんにすすめられた一軒に決めました。

調理料金は、どこもほとんど一緒です。

買ってきたお魚を渡して、冷たい前菜やパン、飲み物をオーダー。その間に市場のまん中にある手洗い場で手をじゃぶじゃぶ。


トルコではいたるところで、こういった手洗い場を見かけます。

水を飲んだり頭から水をかぶったりできるように、金属製のカップがぶら下がっています。

手を洗っているうちに、冷たいメゼ(前菜)とサラダなどがテーブルに。

クレソンのような野菜を使ったヨーグルトベースのジャジックをオーダー。

そして、いよいよエビの前菜が登場!

ニンニクとチリとトマトのソースで。

このエビのおいしさに感動したのもつかの間、メインのお魚がやってきました。


私の鮭。「ばかでか」で、二人前くらいあります。

だんなさんのスズキ。三人前くらいあります。でかすぎてうまく撮れません。

しばし無言で、魚にくらいつくふたり。ふと、「おしょうゆがあったら最高なのに〜」という私のベタベタ日本人なつぶやきを、聞き逃さなかっただんなさん。

なんとっ! おしょうゆ登場!

中国のとろりとしたおしょうゆでしたが、十分おいしくいただきました。

調理代は、ひとり7トルコリラ(約300円)、冷たいメゼやサラダ、パン、ライス、ワイン1本、お茶などをぜんぶひっくるめて、レストランの料金は50トルコリラ(約2200円)ほどでした。

トルコでは、お魚は高級品なのだそうで、一般のトルコ人はあまり食べないようです。

おこぼれにあずかろうと、待っています。

自分で選んだものをその場で料理してもらえる、このシステムがなんとなくエンターテインメントで楽しいランチタイムを過ごしました。

と、そこで、だんなさんの一言。

「あのエビ、絶対、あれより多く買ったよなあぁ」……。
うーむ。写真撮っておけばよかったかしら。思わぬエビ疑惑。

魚市場の片隅では、バックギャモンに興じる男性たちの姿も見かけました。

エビがちょっと少なかったかもしれませんが、まぁ、あの魚の大きさでは、いずれにしてもあれ以上は食べられなかったということで、よしとしましょう。