1.3.08

三浦一義の逮捕と、仕事人生最大の失敗。

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三浦一義がサイパンで逮捕されたそうですね。
今思えば、そうとう変わった高校生だったと思うのですが、
20数年前、ロス疑惑をめぐる「疑惑の銃弾」と
糸井茂里の「萬流コピー塾」が読みたくて、
私、週刊文春を毎週欠かさず買っていました。

大学を卒業して、少女まんがの編集者になり、
仕事にも慣れて、新人まんが家さんを育てたりも
するようになったある日のこと。

原稿は入稿したし、あとは校正を待つばかり、
という日に、先輩編集者からの情報で、
三浦一義の公判があることを知ったのです。
すでにロス疑惑の報道は下火になっていて、
傍聴も並ばずともらくらくできる、という話で、
その先輩と一緒に、朝から裁判所に向かいました。

三浦一義、おそるべし!
傍聴席にいる女性と目配せしたりしています。
たぶん、友だちなのかガールフレンドなのか、
とにかく隅に置けない男です。

さて。

午前の公判が終わって、一応念のため、
公衆電話から編集部に連絡を入れました。
午後の公判は、ビデオ検証などもあるとのことだったので、
できればこのまま午後も傍聴して行こうと思っていたのです。

ところが。

電話に出た編集長によると、
私の担当ページで、イラストが一点足りない、
と印刷所から連絡があったとのこと。
確かに、その一点、入稿した記憶がなくて、
頭のなかが、一瞬真っ白になりました。

編集長が気を利かせて、まんが家さんに連絡してくれて、
すぐに描き直しをお願いした、とのことだったのですが、
これは、のんびりビデオ検証を見ている場合ではありません。
後ろ髪を引かれつつも、編集部へ戻りました。

すでにまんが家さんは、描き直したイラストを
編集部に届けてくれたようです。
この1センチ四方くらいの本当に小さな元のイラスト、
私がどこかに紛失してしまったのは、明らかでした。
なにはともあれ、私もお詫びをしなければ、
と、急いでそのまんが家さんに連絡を入れました。

すると、どういうわけか、彼女のほうが、
「すみません、すみません」と平謝りなのです。
なんだか訳がわからないまま、電話を切りました。

この理由、編集長が彼女に描き直しをお願いした
言葉に理由があったようです。
「イラストが見えない(見当たらない)ので、
描き直しをお願いします」と言ったらしいのですが、
当時新人まんが家だった彼女は、
「線が細すぎて、印刷に出ない(見えない)」と
勝手に勘違いしてくれたようなのです。
確かに、彼女の絵は、少女まんが特有の
細く繊細な線が特徴でした。

そんなこんなで、事なきを得たのですが、
校了も終わって、まんが原稿の整理をしていたある日のこと、
この元のイラストが、封筒からひらりと出てきました。
1センチ四方に切られたケント紙は、
まさに新人がおかしがちなタブーのひとつ。
いくらイラストが小さくても、
紙は大きめに切るのが業界では常識です。

私にとっては、このイラスト失くし事件が、
今まで「やってしまった」失敗のなかでは、
最大のびっくり事件でした。

三浦一義の名前を聞くと、
自動的にこの「イラスト失くし事件」も
セットになって、思い出すのです。


4 件のコメント:

  1. bosaさん

    誤解の理由がわかって、さらにイラストが出てきて、ご本人にもさらにお詫びと同時にご説明したので、私の事件のほうは、うやむやのままには終わらせなかったです。

    それにしても、三浦氏の結末には驚いてしまいました・・・。

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  2. いやいや
    それは三浦一義氏の事件のように
    うやむやのままではいけないんじゃないでしょうか?

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  3. KYOさん
    失礼しました、お詫びいたします。

    三浦氏、故郷で逝けないっていうのは
    どんな気持ちなんでしょうかね。。

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  4. bosaさん

    お詫びなんてとんでもないです。
    本文のなかではクリアにしなかった私がいけないです。

    三浦氏、それにしても壮絶な人生でしたね。
    事件の真相も、永遠に闇のなかとなってしまいました・・・。

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