9.8.07

反省しても反芻しない



社長日記 - livedoor Blog 共通テーマ

今日、私の仕事史最悪といっていいくらいのメールをもらい、ショックを受けた。
今となっては「元」クライアントと言わせてもらうしかないけれど、
ロンドンの某フラワースクールの日本進出へのお手伝いをして欲しい、
ということで電話があったのが、今年の3カ月ほど前だったか。
とても魅力的な女性オーナーで、私としては喜んでお引き受けした。

そこから、彼らが2年も前に日本の雑誌に出した
広告料を未払いのままであることがわかり、
その支払いを完了してもらうのに1カ月以上。
そこからようやく広告掲載への運びとなり、
撮影も終えて、デザイナーにも見積もりを出してもらって、
準備を進めていた。

ところが、そのスクールが日本のテレビに紹介されることになり、
それに目がくらんでしまったのか、その女性オーナーは、
急に広告の掲載をやめて欲しいと言い始めた。
まだ、きちんと出版社のほうに申し込みをする前だったので、
広告担当の方には、さんざん交渉に応じてもらったけれど、
テレビの反応を見てから決めたいとオーナーが言っているので、
ということで、ご承諾いただくことに。

そのテレビの効果を狙った彼女は、
今度は、テレビの担当者に接近し、
逆に私が不要になってしまったようだった。
私としては、彼女にとって、一番よい方法をとって欲しいので、
それならそれでかまわないと。彼女のほうも、
「とりあえず方向性が決まるまでは一旦すべてストップして、
ここまでの請求だけ先にして欲しい」と言われ、
まあ、この先どうなるかわからないけれど、彼女が今のところ
私から得たものも少なかろうと、かかった時間よりも少なく、
また撮影代などものせずに請求したのが、6月のこと。

そのテレビのほうがどうなったのかはわからないけれど、
その後彼女から連絡はなく、また支払いもない。

そこで、お支払いの件でメールをしてみたら、びっくり。
「私はあなたに対して怒っているので、支払いはしていない。
訴えるなりなんなりしてくれていい」という返事。
どうも、私がお仕事をいただいているお花の雑誌で、
ほかのスクールはただで紹介するくせに、
個人的なクライアントである自分の学校を
紹介してくれないのはなにごとか、というのが主な理由らしい。

しかし、彼女がその雑誌に2年間も支払いを
滞納していたという事実は、かなり重く感じられ、
私としては、積極的におすすめもできなかった。
そのお花の雑誌も、私にとっては大切なクライアントなので、
彼らにとっても、誠実でなければいけない、と思ったから。

「私の時間を無駄にして、どうしてくれるんだ」くらいのことが
メールには書いてあり、こういう後味の悪いのはよくないな、
と思い、私があえて電話をしたら
「メールに書いたことがすべてで、あなたと話すことはなにもない。
もう電話して来ないで。訴えたいなら訴えて」
と一方的にガチャンと切られた。

個人的にはとても魅力的な女性だと思っていただけに、大ショック。
もちろん、私は訴える気持ちはないし、できることはしてきたので、
これは仕方がなかったと思うしかない、と考えている。

しかも、こうして改めて文章にしてみて分かったのだけれど、
私にとっても、そのお花の雑誌とそのフラワースクールという、
ふたつのクライアントのうち、どちらかひとつを選ぶように、
できていたのかな、とも思う。
もしもその2つからひとつを選ぶのだとしたら、
これ以外の選択はなかったし、そう考えると失ったものは、
実は、決して大きいわけではない。

村上春樹のデビュー作のなかに、
嫌な感情を何度も何度も思い出すことの比ゆとして、
「なんで牛はあんなにまずそうなものを何度も何度も噛むんだ?」
といった意味合いの1行があったと思う。

私は反省はしても、やはり嫌な感情を何度も何度も味わうことは、
人生において決してプラスにならないと思うので、
まずは、彼女とのメールのやり取りをすべて削除した。
そして、彼女から将来的にメールが来たとしても受け取らないように、
フィルターで自動的に削除するように設定した。

この数カ月間で、学んだことはけっこう大きい。

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9 件のコメント:

  1. もしかしてJで始まるところかしら?と
    思ったりしますが、どうなのかしら。
    確かに、無料で宣伝できる事はおいしすぎ
    ですものね・・・。
    最近、テレビも番組の中で宣伝ばかりですよ。
    視聴者としてはかなり引きます。
    あれでは視聴率は減る一方でしょう・・・。

    でも、綺麗なお花のイメージをまとって
    ひどすぎる返事ですね。
    私だったら、逆に対抗して日本の
    華道家のかりやざきさんのようなすばらしい
    方の欧州進出をバックアップできないか考えるかもしれません。
    彼(彼女と言った方が良いのかな?)の
    作品は芸術です。すばらしい発想力です。
    欧米の富裕層の方は高く評価するでしょうね。

    返信削除
  2. トビー10/8/07 17:33

    確かに嫌な思いは引きずりたくないですよね。
    特にお金が絡むと、その人の人間性が見えてくる。互いに常に誠実でいたいものだわ~。


    返信削除
  3. > ななさん
    そうですねー、でも彼女、お花のセンスはすごくあると思うんですよ。

    あ、ちなみに、ジェーンさんのところではないですよ。
    一応、彼女の名誉のために明記しておきます。
    ジェーンさんは、誰からも愛されるすばらしい人と評判です。
    彼女ほどのビッグネームではないです。

    > トビーさん
    ほんと、お金で見せる人間性って、いやですよねー。
    ビジネスはビジネス、やってもらったことの対価なんだから、気持ちよく払って欲しいです。

    返信削除
  4. 私もそういうことあって、あまり人を信用できなくなってるのが事実です。
    でも、素直に頑張っていたら応援してくれる人もいて頑張れます。

    一緒に頑張りましょ^^

    返信削除
  5. > SAYAKA さん
    そうなんですよー。
    周りの人のなかでも、応援してくれる人、
    自分の仕事を認めてくれる人、
    一緒に仕事をしていて気持ちがいいと
    思える人のほうが、圧倒的に多いんですよね。
    悪いほうにばかり目がいってしまうと、
    感謝しなければいけない人のことを
    忘れがちなので、座右の銘は
    'Always look on the bright side of life'
    ですね。

    返信削除
  6. kyoさん、こんにちは。

    私も、最近同じ経験をしました。
    私の場合は、仕事がらみではないのですが、

    いい人に見えて、?がつく人、1番紛らわしいです。私も、これ以上、嫌な思いはしたくないので、もう接触しないと誓いました。

    でも、そのクライアントの人、支払いを滞納できる時点で、人間性を疑います。
    彼女が、お金に支配されているタイプですよね。きっと、この先、大成しないと思うなあ。
    いい風に見せようと思っても、何かがあると、人間性ってでますよね。
    仕事上で怒りをあらわにする人も、大成しないと思います。まさしく、器が小さい。。
    人生、いくつになっても勉強ですね♪。

    返信削除
  7. > meguさん
    ほんと、人生いくつになっても勉強です!
    精進しなければ。
    冷静に世の中見極めていける力を養います。

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  8. はじめまして。

    「ロンドンでの起業」で検索していて、こちらにたどり着きました。時々来て、読ませていただいていました。
    たまに、仕事上このような人(一見仕事がしっかりしている風、でも中身が卑怯なやり方の人)って出てきますよね。10数年前に英国で仕事をした時のボスが同じような人でした。私もいい勉強したと思いました。
    応援していますので、ぜひ新規のビジネスも成功させてくださいね。

    返信削除
  9. > Yayoiさん
    はじめまして。読んでくださってありがとうございます。

    ほんと、人生いつまでも新しいことを勉強するばかりですね。
    人との出会いも例外ではないと思います。

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