20.4.07

元漫画編集者の意地

今日は非日本系漫画出版社の社長が
「Mangaビジネス」についてセミナーを
するというので、行ってきました。

その出版社の米本社の社長、英支社の社長が、
プレゼンを行い、質疑応答をしながら、
私の友達でもある漫画研究家が補足説明をしつつ、
海外におけるMangaビジネスについて解説する、というもの。

会場には、別の英系漫画出版社の社長や、
日本の出版社で漫画とはまったく関係のない
書籍を作っていたという女性副社長さんなど、
要するに「漫画で儲けよう」という人と、
純粋に日本文化が好き、漫画が好き、というオタクの
二極化した人たちが集まりました。

オタクの人たちはいいとして、
この漫画で儲けよう的な人たち、
元漫画編集者の私としては、正直なところ
「お前になにがわかる?」という
ちょっと不快な気持ちを起こさせました。

いや、「じゃあお前になにがわかる?」と聞かれたら、
「すみませんでした」という感じではあるのですが、
彼らには、漫画がどのように作られているか、
作家がどういうふうに苦しみながら描いているか、
そういうことは、きっとどうでもいいんだよな、
と感じさせるなにかがあるのだと思います。

そして、この日本人の女性副社長もそうです。
最後の質疑応答のときにパッと手をあげて、
「私があなたの質問にお答えしましょう」ときて、
「日本人女性は・・・」「日本の男性は・・・」という
自分の意見を思いっ切り決めつけの一般化した挙句に、
「やおいとは・・・」と語り始めた日には、またしても、
「お前になにがわかる?」という排他的な気持ちになってしまいました。

日本の漫画文化が外に正しく広がっていかないのは、
もしかしたら、私同様、おそらく日本の漫画関係者の多くが、
この「お前らになにが分かる?」という気持ちを
強く持っているせいなのかもしれません。

「お前になにが分かる」=「お前にわかるか」=「教えない」
という、ちょっとイケズな構図なのかもしれませんね。

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2 件のコメント:

  1. ねこの足跡20/4/07 19:08

    こんにちは、KYOさん。
    私も漫画家の仕事の厳しさを十分理解する側にいるので、その場に居たら女性副社長に猛反発してしまいそうです。
    それにしても…『やおい』なんて言葉まで出てくるこのセミナー(怪し過ぎます)…イギリスにおける『Mangaビジネス』の発展を目的としたものなのですか?このようなセミナーが開かれている事実に、とても興味があります。
    『英系漫画出版社』の存在も初めて知りました!詳細をお聞きしたらご迷惑でしょうか?



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  2. > ねこの足跡 さん
    ねこの足跡さんも漫画関係者なのですね。
    英系漫画出版社は、以下のウェブサイトから見られます。
    http://www.selfmadehero.com/
    よろしかったら、ご参考までに。

    ちなみにこのセミナーでお話されたのは、
    Tokyo Popという会社の社長さんと
    英支社長さんです。

    返信削除

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