オフィス・ビルの愉快な人々

私たちのオフィスが入っているビルは、
さまざまな大きさの部屋がたくさんあって、
それぞれ１人～２０人くらいのオフィスが、
間借りしつつ、レセプションや会議室、
給湯室やトイレを共有しているという感じです。

喫煙所は非常階段のところにあって、
タバコを吸う人たちはここに集います。
私も先々月までは喫煙者でしたので、
スモーカーたちとは顔見知りです。

ところで、このスモーカーのなかに、
「電話で話す時に歩かないと耐えられない」病に
侵されている人がいます。
黒髪の短髪で、年のころは４０歳くらいでしょうか。
弁護士さんで、１０人ほどの弁護士事務所を
率いているビジネスマンでもあります。

この彼、電話をするときには、必ず、
私たちの部屋の前の廊下をうろうろ。
そして、必ず私たちの部屋を覗き込んでいきます。

ところがある日、覗き込むだけではなく、
ノックもなしに「ガッ」とドアを開けてきました。
これにはさすがの私たちもびっくり。

何事かと思ったら、「か、紙をくれー」とのこと。
紙って、トイレの紙じゃないですよ。
タバコの巻紙のことです。

当時、私は手巻きのタバコを吸っていたので、
私が紙を持っていることを彼は知っていたんですね。

「もう、タバコやめるから、今後はあげられないよ」
と宣言をしてみたのですが、
「まーたまたー。僕だって毎晩やめてるもん」
と、まったく本気で受け取っていないようです。

つい先日、キッチンで会ったときに、
「か、紙持ってる？」と聞かれたので、

「だから、やめたって言ったでしょう？　ホホホホホ・・・」

と勝ち誇ったように、宣言してみました。
これでもう、紙を求められることも
なくなるのではないかと密かに思っています。

★今日の一枚★










エンジェルの駅前の夜景。
街路樹に設置された
青い電飾がきれいです。

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