30.12.06

サダム・フセインの死刑でイラクは変わるか

サダム・フセインの死刑が確定し、
あと24時間以内にも死刑が執行されるのでは、
とニュースでは報道している。

私はイラクの問題に関して、
決して詳しいわけではないけれど、
現在のイラクの人々の生活が、
かつてのフセイン政権下のものと比べて、
果たしてよくなったのか、と言われると、
疑問視せざるを得ない。

先日、バグダッドの混乱のなかで、
政府関係の仕事をしていた人と
個人的にお話する機会があって、
彼の個人見解はとても興味深かった。

イラクはサダム・フセインという
悪者で蓋をされたパンドラの箱だった、と。
確かに悪い箱の蓋ではあったけれど、
その蓋によって抑えられていたものが、
蓋を取られたことによって、
収拾がつかない事態に陥ってしまった。

たかだか200年ほどの歴史しか持たない
文化的背景を軽視したアメリカが、
具体的に有効な策をもたないままに、
この箱の蓋をこじ開けてしまったことに、
この混沌は始まっている、と。

さらに、フセイン政権下で殺された人数と、
この戦争における死者数の比較も、
とても興味深かった。

報道によると、今回のフセイン死刑確定は、
80年代のドゥジャイルのイスラム教シーア派住民
148人殺害に関する判決、らしい。

一方で、2003年の米侵略からここまでの
イラク民間人の死亡者の数は、
5万人とも10万人とも言われていて、
実際のところ、正確な数を出すことは、
不可能なんじゃないか、とすら思う。

148人殺害の責任は、フセインが取るとしても、
その後の5万人だか10万人だかの責任は誰が取るのか。
イラクはこの先、どこに向かおうとしているのか。
私には毛頭想像がつかない。

5 件のコメント:

  1. イラク問題は自分も決して詳しくはないけれど、この戦争ははたして何の為の戦争だったのか疑問視させられる?

    はたして、この戦争により幸福を得られた人はいるのだろうか?

    幸福を得られた人々は、不幸になった人々の数を上回っているのだろうか?

    考え出したらきりがなく。。。。。

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  2. >エステ社長さん
    コメント、ありがとうございます。
    本当に、いつになったら、ヒトは戦争をやめるのでしょうか。

    個人的には、最近のこのイラクの動きしかり、パレスチナ問題しかり、アメリカがどんどん嫌いになります。
    本音を言うと、アメリカに迎合する英首相トニー・ブレアも来年といわず、今すぐ辞めてくれていいのに、と思います。

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  3. ��YOさん、こんばんは。

    年の瀬でありますねぇ。

    わたしは、今日が仕事納めでございました。

    今年は、ブログにはまり、
    そのおかげで、貴重なご縁をたくさんいただきました。

    ありがたいことであります。

    KYOさんからも、たくさんコメントをいただき、
    刺激をもらいました。

    ありがとうございました。

    来年も、よろしくお願い申し上げます。

    それでは、KYOさん、

    よいお年を!


    トピずれで、失礼いたしました。

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  4. >トニーさん

    こちらこそ、今年はお世話になりました。
    今年、トニーさんのブログは私のお気に入りにしっかり入りました。
    どうぞどうぞよいお年をお迎えくださいね。

    そして来年もよろしくお願いいたします。

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  5. > りす美さん
    コメントありがとうございます。
    りす美さんもイギリス在住なんですね!

    イギリスは起業は簡単なんですよ。
    ぜんぜんカッコよくないんです。
    会社をつぶすことなく、ずーっと細く長く続けていけたら、ちょっとはカッコよくなれると思うので、日々精進です。

    イラクは、思ったとおり、めちゃくちゃですね。
    死刑執行時に「モクタダ、モクタダ」なんて叫んでいるあたりがもう、終わってますよね。

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