風邪はずいぶんよくなってきたものの、夜床に就いてからの咳が激しくて、いつもなら、布団に入って10秒後には寝息を立てているこの私が、よく眠れない、という珍しい状況に陥っている。
先日、ブログで仲良くしていただいている鍼灸師の妻まうみさんから、「漢方のせんじ薬」をすすめてもらい、うーん、どこに行ったらいいのかしら……と考えていた。
ロンドンには、漢方の薬局は非常に多い。たぶん、東京よりも多いような気がする。
でも、たいがいが最初のコンサルテーション30ポンド、とか、マッサージとセットで、とか、今日から小麦は食べちゃだめ、煮立てて冷やして何時間、とか、行った人の話を聞いていると、なかなかこう、難しそうで、「はい、これお薬です。○○ポンドです」というストレートな反応がもらえないような気がして、考え込んでいた。
今日のロンドンはものすごい雨で、いつもなら、地下道を歩かないところを地下道で行って、ふと地上に上がると、なんと目の前に「
Institute of Chinese Medicine」という看板。研究所と一緒に薬局も併設されている。
いま考えていたことが、地上に上がったとたんにそこにあったので、こりゃあ、なんかの縁かもしれん、と思って、ドアを開けた。
なかには女性がひとり座っているカウンターがあり、その奥には引き出しの嵐。きっとここに中国四千年の秘薬の数々が眠っているのね。
ややこしいことを言われたくない、という防衛心のあらわれ、なのか、カウンターの女性に突進して、
「風邪ひいちゃって、ほかはどんどんよくなってるんですけど、夜布団に入ってからの咳がひどいんです。それ、止めたいんです」
と、相手が口を開く前に、一気に申し立てた。
すると、彼女、どこかに電話をして中国語でなにやら話をして、とてもストレートに、この小瓶の入った箱を持ってきた。
「一回2ビン、一日3回、3日間続けて飲んでください」
ひゃー、望んでいたとおりの対応~。
奥から白衣を着たお兄さんが
「それ、飲んだあと、水を飲んでくださいね。すっごく(強調)、おいしくないので」
ガーン。
3日分で、16ポンドなり。
帰ってきて、飲みました。ええ、飲みましたとも。
……まずー……げふ。
まずは、3日間。それで治らなかったら、その漢方の薬屋さんでもドクターのコンサルテーションを受けないといけないそうです。
どうか、治りますように……。