最近、企画屋的なお仕事が多く、日本向けマーケットの雑誌でも、私が携わるのは企画のみで、あとは英人チームが制作を仕切る、というケースがあります。
そのときにすごーく困ってしまうのは、センスの問題。
けっこう違うんですよね、日本人の感覚と。
だけど、売ろうとしている対象読者は、日本人なわけで。こうるさいオバさんと化して、いちいちこまかく小言を言って嫌われています……でも仕事なので、仕方ない、イイ人になって売れないものを作るよりは、嫌われても少しでも買っていただけるものをつくるのがプロフェッショナル、と割り切って。
で、こういう事態になるまで、自分でも意識したことがなかったのですが、お料理のステップ写真をやっているときに、明らかな違いがあることに気づきました。
まずはこちらをどうぞ。
これ、amazonから拾ってきた本のカバーですが、とってもスタンダードな英国風(欧米風)のお料理の過程を撮った写真が5点使われています。
なんか違和感ないですか~?
日本のレシピの写真は、お料理をしている人の目線で撮影するのがふつうなんです。だから、お箸とかスプーンとか、へらとか泡立て器とか、そういうものは通常、写真の右側から出ていることが多いのです。
こちらのステップ写真では、読者はまるでお料理教室のデモを見ているように、お料理をしている人を正面に見つめる目線で写真を撮ることが多いようです。
これ~、ベタベタの日本人としては、お料理本はどうしたって、お料理する人が作りながら見るわけだから、自分中心の日本風のほうが絶対わかりやすいと思うのですが……。
というところまで思いいたって、ハッと思い出したことがあります。
日本の街角に立てられた地図って、立っている人の目線で表示されていることが多いですよね。だから北が上とは限らない。うちのダンナなんぞは、こういうのを見るたびにカッカきているようですが、私にとっては、見やすいじゃん、と思ってしまうんです。
イギリスのカントリーサイドで道に迷って、地図を回しながら、「すみませーん」と道をたずねると、「あなた~、地図を逆に持ってるじゃないの! これじゃ迷うはずよ!」などと、私にとっては「理不尽な」ことを言われたこともあります。
イギリス人で地図を回している人に会ったことがないのと、このお料理写真の命題は、底の底でつながっているのかもしれないなー、と、ふと思った次第です。
ほ~、またまた勉強になりました。
返信削除大昔に買ったジェイミー・オリバーの料理本も正面目線でした。
確かに、自分目線の方が好きかも。
地図も回しますww
ちなみに、auのナビウォークというアプリは
自分中心で、角を曲がると画面の方向も変わりますよ~
なので初めて行く場所でも確実に到着します。
たしかに、違和感ありますね。
返信削除私が最近、よく見ている、NHKの「今日の料理ビギナーズ」という番組は、完全に、視聴者目線ですよ。
自分の手が、調理をしているように撮影されているので、まな板も、おなべも、フライパンも、見下ろす形になります。
これが普通と思っているので、だいぶ違いますよね。
そういえば、話が違いますが、私は自分のことをさすのに、自分の鼻を指差す癖があるんですが、このあいだ、外国人の人に、「鼻がどうしたの?」と、べたなコントみたいな質問を受けて、驚きました。
返信削除KG さん、こんにちはー。
私も最初、なにがこんなに気持ちが悪いのかよくわからなかったんです。写真によっては、お料理をしている人のエプロンのおなかまで入っていて、なんでおなか写ってるの?って思いました。
やっぱりジェイミーの本もそうなんですね~……おなか入り(笑)?
地図、回しますよね~?? たしかにそう言われてみれば、iphoneについているgoogleマップは、自分が移動してもまわりません! さすが日本ですね……。
tomocolineさん、こちらんいもどうもありがとうございます!
返信削除そうそう、違和感あるでしょう?? ですよねー!
私もお料理をしている自分の手元を見るようにわかるほうが、便利じゃないかって思うんですよね。
「わたし」って鼻をさす、これほんと外国人が「?」な定番ポイントですよね~。いつの頃からかわかりませんが、私、気づいたら、てのひらを胸に当てて「わたし」と言うようになってました。不思議です……。
今度、リベンジでそのお友達に「胸が痛いの?」って聞いてみたらどうでしょうか(笑)。
お久しぶりです♪
返信削除こちらにコメントするのは2回目???
かなり興味深い話題で、音楽ネタに飛びつかず、こちらに^^;
これは混乱しますね~
料理本もだけど、地図はムリー
ロンドンでは間違いなく迷子です(笑)
こちら、常に北が上の米国人と地図をまわす日本人からも中継いたします。
返信削除そして、地図を回すのは女性に多く見られる現象だとも聞いたことがあります。
そしてそして、わたしは知らない土地に地図を片手にドライブする時に、自分用の地図を作って行くのですが、○○ストリートを右、○○建物を過ぎたら左、とかいう、アメリカン旦那からすると、ようこんなんで知らんとこに行くわ?!……と呆れる書き方がお気に入りです。
要するに、自分から目線で物事を考える、見る人と、周りから見られてる視線で物事を考える、見る人、ということなんでしょうね。
そう考えると、なんか深いな~と妙に考え込んでいるわたしです。
きゃー、umaさん、こんにちはーー。
返信削除そうですね! 私がつま先でダンナのかさぶたをはがした事件以来ですから、二度目のコメントですよ~、ありがとうございます。
地図、これなんですけどね、私、今後はナビゲーションの影響で、少しずつ地図を回す人種が増えるんじゃないかと思っているのです。あれ、回りますよね~? 自分の前の道路が前に来るように見えますよね。まぁ100年後には、イギリスでもアメリカでも、たぶん地図を回す人がぼちぼち出てくるんじゃないかと~……。
私も地図、ぐるぐる回すほうです……。
まうみさん、おはようございます!
返信削除やっぱり欧米人全般そうなんでしょうねー。そしてどんなに小さな道にもきっちり名前がついていて、それが住所になっているこれらの国では、なんとかのところを右とか、二つ目の信号をなんとかとか、そういう説明じゃないんですよね。
「地図を読めない女と話を聞かない男」売れましたよね! この本のなかの自己診断テスト、前に働いていたチームのみんなでやったんですけど、私の脳は限りなく男脳に近く、アシスタントしてくれていたゲイの男の子のほうがよほど女脳でした(笑)。それだけに彼にはお世話になったなぁ~しみじみ。
これって、たぶん、俯瞰(客観視)できるかできないか、ってことなんでしょうね。日本人がなにごともパーソナルに取りがちなのは、この「俯瞰」能力が弱いせいなんですかね~、ひょっとして。